セッション

シンポジウム
2014-11-15 10:10 - 11:40
[座長のことば]
今から50年前の1964年5月に西多賀病院と下志津病院に進行性筋萎縮症の専門病棟が開かれ、ここから国立療養所における筋ジストロフィー(筋ジス)医療が始まった。同年末には8病院で100床に、1980年までに全国の27国立療養所に併せて2500床の筋ジス病床が整備されてきた。しかし、筋ジスは進行性の難治性疾患そのものであり、治療法を含めて療養の各方面においても、当初は対処方法が不明で、筋ジス医療は五里霧中を徒手空拳でスタートしたと言っても過言ではなかった。期を同じくしてスタートし、長らく続いた筋ジスの班会議において、各療養所での経験や研究成果を持ち寄ってノウハウを蓄積し、それらを均てん化して歩んできた。1990年頃より、人工呼吸器療法でデュシェンヌ型では寿命が10年以上延長し、それを搭載した電動車いすが当たり前になり、ITによって患者は社会や世界に繋がるなど、筋ジス患者の療養は時間的にも空間的にも精神的にも拡大してきた。
 旧・国立療養所が移管した現在の国立病院機構においても、担うべきセイフティネット医療の中において、いわゆる筋ジス医療は大きな柱となっている。いかに、難治性筋疾患に専門性のある医療行為を安心して安全に提供するかが、携わる職員の使命であるのは言うまでもない。また、独法化後、急速に各病院の療養介護(筋ジス)病棟は近代的に整備されてきており、遺伝子工学や、ロボット工学、IT技術などによる、21世紀の新しい医療に備えている。また、医療や福祉を行う上での、それをサポートする社会の仕組みも変化しつつある。
 このシンポジウムでは、この50年の国立医療機関での筋ジス医療の歩みを振り返るとともに、遺伝子治療を主とする明日の医療の展望も考えてみたい。
詳細検索