セッション

シンポジウム
[座長のことば]
 医療政策により病院機能が明確化され、それぞれの医療機関が提供できる医療にもいい意味での差別化が起っています。リハビリテーションもその例外ではなく、疾患別リハビリテーションにおける施設基準はその最たる例でしょう。回復期リハビリテーションでも、今般の診療報酬改正でスーパー回復期とでもいうべき施設基準ができたのは記憶に新しいことです。もちろん、ハードの面からだけでなく、ソフトとしても最近ではがんのリハビリテーションが注目を浴びており、リハビリテーションはほぼ全ての医療分野に関わろうとしています。
 様々な分野に関わるということは、リハビリテーションに関わるスタッフの専門性が高まるというメリットを生みますが、同時にそれは専門外の分野への知識不足といったデメリットともなり得ます。回復期病棟の乱立する現在では、筋ジストロフィーや脳性麻痺などといった疾患を診療したことがないスタッフも数多いでしょう。医療の質を担保しながら幅広く関わる為には、各疾患についての基本的な知識の共有が必須となります。昨今のガイドライン乱立の背景はこういった事態からの要請もあるものと思われます。しかし、振り返ってみるとリハビリテーション医療の分野では技術的な側面が強調されてきたためか、いわゆるエビデンスが少なく感じます。誰もがどんな疾患へもある程度のレベルで対応できるように、エビデンスに基づいた医療を確立するのは急務であるように思います。ここで気をつけなければならないのは、エビデンスを重視するあまり、個々の症例をないがしろにしかねない姿勢です。医学と医療の両立を常に心がけるようにしなければなりません。
 今回のセッションでは、リハビリテーションの各分野で活躍なさっている先生方に、それぞれの分野が抱えている問題と、これからの展望を御発表いただきます。このセッションが、より良いリハビリテーションとは何かを考える機会になれば幸いです。
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