演題

第3部 外科臨床の実践: NCDを用いた外科学総論臨床研究の実践とその展開

[演者] 瀬戸 泰之:1
[著者] 藤原 俊義:2, 桑野 博行:3
1:東京大学消化管外科, 2:岡山大学消化器外科, 3:群馬大学病態総合外科

2014年3月末現在、4105施設から400万件を超える手術がNCDに登録されており、類のない貴重かつ膨大なデータベースとなっている。手本となった心臓血管外科領域(Japan CardioVascular Surgery Database:JACVSD)は2001年成人心血管手術を対象として入力が開始され、当初は5施設からのスタートであった。それが、2014年には成人(JACVSD) 538施設から約28万件、小児(JCCVSD) 115施設から約3万6千件の症例が入力されるまでに発展している。NCDは2011年から入力が開始されたが、瞬く間に前述のように膨大なdatabaseに発展している。これもひとえに先達の尽力と手間暇かけて入力していただいた全国多くの外科医の賜物であることをまず忘れてはならない。消化器外科領域では、日本消化器外科学会が中心となり、代表される8術式におけるrisk modelが2014年相次いで論文化され発表されている。外科学会は基盤学会であり、またNCD入力に際しても、その基本項目を有している。よって、外科学会としては、NCDを用いて外科学総論臨床研究、すなわち横断的研究を目指すべきと考える。その一環として、外科学会臨床研究推進委員会では「肥満が手術に及ぼす影響」をとりあげ、消化器外科領域、心臓血管外科領域において、代表的13術式でBMIと手術時間、出血量(輸血の有無)、手術関連死亡などとの関連を明らかにするための検討を行った。消化器外科領域と心血管領域ではBMIの分布に差があり、二峰性となる(心血管>消化器外科)興味深い結果がえられた。手術時間はすべての術式において、BMIの増加とともに延長すること、手術関連死亡はBMIに関して、どの術式でもほぼU-shapeになることが示された。今後、何らかの形でこの結果を現場(社会)に還元したいと考えている。今後、この貴重かつ膨大な横断的になりうるdatabaseをいかに活用していくかが外科学会の責務であると考える。また、基盤学会ならではの取り組むべき課題もあるものと確信している。
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