演題

RS3-127-9-6

食道胃接合部癌根治手術における術後合併症の危険因子の検討

[演者] 藏重 淳二:1
[著者] 杉山 雅彦:1, 中西 良太:1, 中島 雄一郎:1, 佐伯 浩司:1, 沖 英次:1, 馬場 秀夫:2, 前原 喜彦:1
1:九州大学大学院 消化器・総合外科学, 2:熊本大学附属病院 消化器外科

背景・目的:様々な癌に対する根治手術において術後合併症の発生は入院期間の延長やQOLの低下だけでなく,長期予後においても不良因子の一つであることが知られている.今回,食道胃接合部癌根治手術において術後合併症の予測因子として患者背景・術前因子,臨床病理学的因子,手術因子と術後合併症の発生との関係を単変量 ・多変量解析を用いて検討した.
対象:2005年4月から2014年3月までにSiewert分類1-3型の食道胃接合部癌に対し根治術を施行した176例を対象とした.方法:患者背景・術前因子として,性別,年齢,術前併存症の有無,麻酔リスク(ASA術前分類),prognosis nutritional index (PNI),modified Glasgow Prognostic Score(mGPS),Body mass index(BMI),臨床病理学的因子として壁深達度,リンパ節転移,病期,手術関連因子として,術式,手術時間,出血量,鏡視下手術か開腹手術かのそれぞれの因子と術後合併症の発生との関係を後方視的に検討した.統計処理はχ2乗検定,Fisher検定を用いて行い,p<0.05を有意差ありとした.
結果:Clavien-Dindo分類2以上の合併症を認めた症例は46例であった.単変量解析で術後合併症発生と関連を認めたものは,男性,mGPS 1/2群,出血量≥300ml,手術時間≥300minであった.その他の術前因子・臨床病理学的因子・手術関連因子においてはいずれも有意な関連は認めなかった.この4因子において多変量解析を行ったところ,mGPS 1/2群が術後合併症に対し独立した関連因子であった.
考察:食道胃接合部癌根治術における術後合併症の危険因子は,術前mGPS 1/2群である症例であった.mGPSは,癌患者における栄養状態の悪化と慢性的な炎症反応を表しており,mGPS1/2 症例に対して術前に積極的な栄養介入を行うことが術後合併症のリスク回避につながる可能性があることが示唆された.
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