演題

RS3-137-12-5

腹膜播種による癌性イレウス症例の術前予後予測は可能か?

[演者] 小林 成行:1
[著者] 落合 亮二:1, 小畠 誉也:1, 御厨 美洋:1, 羽藤 慎二:1, 大田 耕司:1, 野崎 功雄:1, 棚田 稔:1, 栗田 啓:1
1:四国がんセンター 外科

【はじめに】癌性イレウス症例の予後予測は,緩和手術の適応判断において重要であるが,困難であることも少なくない.今回われわれは,Glasgow Prognostic Score (GPS),Prognostic Nutrition Index (PNI),Neutrophil/Lymphocyte Ratio (NLR)の,術前予後指標としての有用性を検討したので報告する.
【対象と方法】2006-2015年に当科で緩和手術を施行した,腹膜播種による癌性イレウス50例を対象とした.手術直前の血液検査結果から,GPS(CRP>1.0mg/dlかつAlb<3.5g/dl:2点,CRP≦1.0mg/dlかつAlb≧3.5g/dl:0点,それ以外:1点),PNI((10×Alb)+(0.005×リンパ球数)), NLR(好中球数/リンパ球数)を算出して,予後との関連を検討した.統計検索はJMP12を用いた.生存期間,生存期間中央値(MST)はKaplan-Meier法で算定し,生存期間の比較はWilcoxon検定を行った.P<0.05を有意差ありと判定した.
【結果】原発巣の内訳は,胃癌:17例,大腸癌:10例,卵巣癌:9例,子宮癌:7例,膀胱癌:4例,膵癌:1例,肺癌:1例,乳癌:1例.術式は,ストーマ造設:35例,バイパス:7例,バイパス+ストーマ造設:3例,腸管切除+バイパス:2例,小腸切除:2例,癒着剥離:1例.術後合併症は,SSI:5例,イレウス:2例,短腸症候群:2例,多臓器不全:1例, 腎不全:1例,肝不全:1例,小腸穿孔:1例,気胸:1例(重複あり).術後の食事摂取は,良好:42例,不良:5例,不能:3例.退院可能例は44例で,6例が在院死していた.術後化学療法施行例(8週以上)は18例であった.全症例のMSTは142日で,化学療法施行例は有意に予後良好であった(380日vs.94日,p<0.001). GPS:2 点の14例は,GPS:0-1点の23例と比較して有意に予後不良であった(55日vs.201日,p<0.001).GPS:2点の症例で,術後に化学療法を施行できた症例は皆無であった.PNI<40の16例は,PNI≧40の26例と比較して有意に予後不良であった(85.5日vs.218日,p=0.004).NLRはカットオフ値を4として比較検討したが,有意差は認められなかった.
【結論】GPS,PNIは,有用な術前予後予測指標である可能性が示唆された.
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