演題

RS3-137-12-4

姑息的胃切除を施行した胃癌患者における予後因子スコアの評価

[演者] 永岡 栄:1
[著者] 風間 義弘:1, 酒井 敬介:1
1:日本赤十字社医療センター 胃・食道外科

【目的】担癌患者における炎症反応と栄養状態に基づいた指標が予後予測因子として有用であるという報告がさまざまな癌腫においてされている.当院で出血や通過障害を改善するために姑息的胃切除術を施行した治癒切除不能胃癌患者を対象として術前のGlasgow prognostic score(GPS), Neutrophil to lymphocyte ratio(NLR),Platelet to lymphocyte ratio(PLR),Lymphocyte to monocyte ratio(LMR),Prognostic nutritional index(PNI)スコアを評価し予後との関連性を検討した.
【方法】2007年1月から2014年12月までに当院で姑息的胃切除術が施行され,予後の明らかな50例を対象とした.術前の採血結果から各スコアを求め,GPSは0と1以上の2群に分類,NLR,PLR,LMR,PNIはROC曲線からyouden法でcutoff値を算出し2群に分類した.生存率は手術日を起点としてKaplan-Meier法で算出し,有意差検定はLog-rank testを用いた.多変量解析にはCox比例ハザードモデルを用いた.
【成績】年齢の中央値は74歳(45-86歳),観察期間の中央値は261日(6-1644日),生存期間の中央値は248日であった.各スコアのcutoff値は,NLR:3,PLR:230,LMR:3.5,PNI:50であり,曲線下面積はGPS:0.676,PNI:0.667,PLR:0.625,LMR:0.586,NLR:0.583の順に高かった.全生存期間における単変量解析ではGPS≧1(p=0.00171),PLR≧230(p=0.0175),LMR<3.5(p=0.0154),PNI<50(p=0.0188)の4項目が予後不良因子であった.多変量解析ではGPS≧1(HR:3.421,95%CI:1.759-6.657,p=0.000292)とPLR≧230(HR:2.792,95%CI:1.450-5.375,p=0.002123)の2項目が予後不良因子として選定された.
【結論】予後因子スコアは,姑息的胃切除術施行後の生存期間を予測するうえで有用と考えられた.
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