演題

RS1-36-14-6

Acute Care Surgeon と消化器外科医はどう連携すべきか?~それぞれの専門性を重視した連携体制について~

[演者] 下条 芳秀:1,2
[著者] 比良 英司:1,2, 渡部 広明:1,2
1:島根大学医学部附属病院 高度外傷センター, 2:島根大学医学部 Acute Care Surgery 講座

【はじめに】Acute Care Surgeryは,「外傷外科」,「救急外科」,「外科的集中治療」を3つの柱とする新たな外科領域である.本学では2016年1月に本邦初のAcute Care Surgery講座を設立し,2016年4月より高度外傷センター(急性期・外傷外科)を運営している.当科開設以前は,救命救急センター専従医が全症例の初療を実施し,「腹部外傷」を主とした外傷症例や急性腹症などの「救急外科」は消化器外科へ継続診療を依頼する体制であった.当科開設以降,原則として当センターへ搬入となった多発外傷や急性腹症症例は我々が主となり指揮を行い,初療と蘇生は当科が,専門性の高い手術は各診療科へ依頼し,術後管理は当科と集中治療部が行なう体制へとシステム変更を行った.本学におけるAcute Care Surgery体制の現状について検討し,Acute Care Surgeon と消化器外科医はどう連携すべきかについて考察した.【対象】センター設立後8ヵ月間にACS講座が主科として入院診療した外傷症例132例と急性腹症49例.【結果】外傷132例中AIS≧3の重傷外傷は68.7%(腹部AIS≧3は17例),ISS≧16の多発外傷は48.9%であった.予測外死亡例は0例,TRISS法による予測生存率87.2%に対して実生存率は97.7%と良好な結果であった.急性腹症の疾患内訳は腸閉塞13例,虫垂炎12例,消化管穿孔3例,ヘルニア5例,その他16例,そのうちショック症例は6例であった.治療方法は,手術27例(開腹22例のうちVacuum Packing Closure 2例,腹腔鏡5例),IVR3例,保存的加療22例であり,当科と消化器外科との合同で4例の手術を行なった.【考察】Acute Care Surgeonは「外科的集中治療」を必要とする重症・多発外傷ならびに救急外科疾患を専門としている.一方で急性腹症の中にはoncologic emergencyや内視鏡外科手術など低侵襲手術の適応症例も含まれるため,それを専門とする消化器外科との連携がしばしば必要かつ有効であった.【結論】Acute Care Surgeonと消化器外科医,それぞれの専門性を重視したシームレスな連携が重要である.
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