演題

RS1-36-14-1

急性胆嚢炎に対する早期腹腔鏡下胆嚢摘出術を基本とした治療戦略の妥当性

[演者] 高村 卓志:1
[著者] 宇田川 郁夫:1, 安冨 淳:1, 草塩 公彦:1, 松本 正成:1, 鈴木 大:1, 飯田 文子:1, 伊良部 真一郎:1, 山本 奈緒:1, 原野 里奈:1
1:千葉労災病院 外科

[諸言]急性胆管炎・胆嚢炎ガイドライン2013(Tokyo Guidelines 2013,TG13)では軽症・中等症胆嚢炎に対し,発症72時間以内での早期手術が推奨されている.近年では発症7日間以内であれば,早期腹腔鏡下胆嚢摘出術が在院日数を短縮し死亡率・合併症率は増加しないとの報告(Br J Surg. 2015 Oct;102:1302-13.)もある.
当院で急性胆嚢炎と診断した際には,72時間の枠組みに囚われることなく概ね7日間以内であれば緊急もしくは準緊急での腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行する戦略をとっている.当院での急性胆嚢炎に対する治療戦略及び治療成績を検討し報告する.
[対象・方法]対象期間は2014年4月より2016年3月までの2年間に当院で急性胆嚢炎と診断し緊急・準緊急で手術を施行した92例について手術時間・出血量・開腹移行率・術後合併症・術後在院日数につき検討し,TG13における重症度別及び発症から手術までの時間(A群:~72hr,B群72~168hr,C群:168hr~)における各群での比較検討を行なった.
[結果]腹腔鏡下手術92例(開腹移行 1例).手術時間:83.5分(33~170).出血量:10ml(0~1550).術後合併症:4例.術後在院日数:4日(2~13)であった.また,TG13における重症度別の3群間の比較では,手術時間・開腹移行率・術後合併症では有意差は認めず,出血量・術後在院日数では両群ともに有意差を認めた(p<0.05).発症から手術までの時間の検討においてはA~C群いずれにおいても手術時間・出血量・開腹移行率・術後合併症・術後在院日数について有意差は認めなかった.
[結語]早期腹腔鏡下胆嚢摘出術を基本とする治療戦略を行なってきたが,結果は比較的良好で許容され得る結果であった.人的資源が限られる手術室・麻酔科医の負担を考慮し,さらには外科医の負担軽減につながる当院の戦略は妥当であると考えられた.
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