演題

RS1-35-14-4

Persistent Descending MesocolonはS状結腸捻転症にどう影響するか?

[演者] 鶴田 淳:1
[著者] 峯田 修明:1, 岡本 由佑子:1, 上野 太輔:1, 河合 昭昌:1, 窪田 寿子:1, 東田 正陽:1, 岡 保夫:1, 岡田 敏正:1, 上野 富雄:1
1:川崎医科大学附属病院 消化器センター消化器外科

(緒言)S状結腸捻転症(Sigmoid volvulus以下SV)は大腸緊急手術の約1割をしめる.成因に慢性便秘,S状結腸過長,腸間膜異常,腹部手術既往等がある.内視鏡的整復術か外科的手術のいずれかの治療選択には,絶対的適応(壊死,穿孔例など)および相対的適応により各症例毎に異なるのが現状である.一方Persistent descending mesocolon(PDM)は先天的に結腸の一部と後腹膜の生理的癒着が欠損している病態で,発症率2.4%(13/543)とされる(岡田ら 日本内視鏡外科学会雑誌2013).(目的)SVによる腸管の炎症程度と画像所見(coffee bean sign(CB),whirl sign(WS),bird beak sign(BB))及びPDMとの関連性を検証する.(対象と方法)2000年1月から2016年9月までの間に当院消化器病センターにおいてCT画像所見にてSVと診断,治療された45例(男性:女性=36:9,平均年齢77.8±10.2歳).基礎疾患数,内視鏡的治療回数,診断時画像所見(CB,WS,BBの有無と局在部位,PDMの有無),治療方法(内視鏡的,外科的)と切除標本の病理組織所見(炎症程度により3群に分類;Grade1=炎症なしあるいは循環障害のみ,Grade2=軽度虚血性変化,Grade3=高度虚血性変化,壊死)の関連性を検証した.内視鏡的治療可能であった症例は全てGrade1とした.統計解析はJMP11.2を用いて単変量,多変量解析を行い,p<0.05を有意差ありとした.(結果)CB陽性97.8%(44/45),WS陽性95.6%(43/45,左31,右12),BB陽性82.2%(37/45,左26,右11),PDM陽性37.8%(17/45).内視鏡的治療15例,外科的治療30 例(ハルトマン手術20例,S状結腸切除術10例).Grade1:33例,Grade2:7例,Grade3:5例.内視鏡的治療回数0: 19例,1: 15例,2: 2例,3: 6例,4: 3例.単変量解析の結果,病理組織Gradeに対して有意差を認めたものは,PDM (p=0.011),内視鏡的治療回数 (p=0.020) であり,ロジスティック回帰分析の結果,PDM (p=0.022) のみが残り,PDM陽性は病理組織Gradeが有意に低かった.(結語)Persistent descending mesocolonはS状結腸捻転症の原因の一つになる可能性があり,治療方針決定の一因子となりうる.
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