演題

RS1-35-14-1

大腸癌穿孔31手術例の臨床的検討

[演者] 沼田 幸司:1
[著者] 渡邊 勇人:1, 加藤 綾:1, 中園 真聡:1, 長澤 伸介:1, 土田 知史:1, 佐伯 博行:1, 松川 博史:1, 利野 靖:2, 益田 宗孝:2
1:横浜南共済病院 外科, 2:横浜市立大学附属病院 一般外科

【目的】大腸癌穿孔手術例の治療成績を明らかとし,予後因子について検討する.
【対象】2001年5月から2015年5月までに当院で緊急手術を施行した大腸癌穿孔31例.虫垂炎・術後縫合不全・医原性穿孔例は除外とし,保存的加療後に待機的手術を行った症例も除外した.
【方法】周術期因子を検討項目とし,Clavien-Dindo分類Grade3以上の重篤な合併症の有無で2群に群別して比較検討.また,術後全生存期間(Overall Survival: OS)について単変量解析を行い予後因子の検索を行った.さらに根治度A/B症例について再発の検討を行った.
【結果】平均年齢72.5歳,男性が22例(71.0%)と多かった.病変部はS状結腸が最も多く15例,穿孔部位は癌部が16例・その口側が15例とほぼ半々であり,術式はHartmann手術が最も多く14例(45.2%)であった.重篤な術後合併症(≧Grade3)は13例(41.9%)に生じ,在院死亡は3例(9.7%),全死亡は13例(41.9%)であった.
重篤な合併症の発症に関わる周術期因子について検討したところ,Hinchey分類(Grade4), Mannheim Prognostic Index (MPI) 27点以上,術後DICあり,がリスク因子として挙げられ,多変量解析の結果から術後DICありが独立した術後合併症の危険因子であった.また,OSについての単変量解析では75歳以上,ASA3/4,原発非切除,根治度C症例で有意に予後不良であった.根治度A/B症例19例について,再発は5例(26.3%)に認め,再発部位は肝が3例,局所・肺・腹膜がそれぞれ1例であった.
【考察・結語】
大腸癌穿孔の緊急手術例において,術後DICありの症例は重篤な術後合併症の危険因子と考えられた.また,高齢・ASA不良・原発非切除は予後不良因子であることが示唆された.
一方で根治切除症例では再発を認めない症例も多いことから,患者の状態を考慮しつつ可能な限り根治性の高い手術を行うことが望ましいと考えられた.
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