演題

RS1-34-14-2

食道穿孔に対するacute care surgery

[演者] 藤田 正太郎:1
[著者] 大木 進司:1, 松本 拓朗:1, 早瀬 傑:1, 坂本 渉:1, 佐瀬 善一郎:1, 門馬 智之:1, 円谷 彰:1, 丸橋 繁:1, 河野 浩二:1
1:福島県立医科大学 消化管外科学講座

【はじめに】食道穿孔は,その原因や発症からの時間,縦隔および胸腔内の汚染程度によって重症度が異なる.重症例に対する外科介入のタイミングは予後を左右する大きな要因である.今回,早期に外科的介入を行うことによって救命し得た食道穿孔を経験したので報告する.
【症例】
症例は全4例.内訳は特発性食道破裂3例,異物(義歯)による食道穿孔1例.平均年齢63歳(50~74歳).男性3例,女性1例.発症から手術までの時間は中央値7時間(6~24時間)であった.特発性食道破裂は全例下部食道左側壁の穿孔で左胸腔に穿破していた.アプローチは左胸腹部連続切開にて穿孔部の縫合閉鎖およびfundic patch,ドレナージを施行した.義歯誤嚥による穿孔は胸部中部食道であり右開胸でアプローチし食道壁切開後義歯を摘出し縫合閉鎖とドレナージを施行した.術後合併症は縫合不全1例,誤嚥性肺炎1例に認めた.縫合不全の1例は絶食ドレナージのみで改善し再手術例はなかった.術後在院期間は平均33日(29~37日)で死亡退院はなかった.
【考察】食道穿孔に対する治療の予後を左右する因子として,第一に早期診断が挙げられる.早期診断は必ずしも容易ではないが,CT,食道造影,内視鏡等適切な診断モダリティの選択が重要である.次に外科介入についであるが,発症からの時間や局所の炎症所見によって縫合か切除かを適切に判断する.またドレナージは特に重要で遷延化する縦隔や胸腔の感染をコントロールするためにもドレーンの種類や位置,数など症例別に判断する必要がある.
【結語】
食道穿孔に対するacute care surgeryは正確な早期診断のもとに,侵襲と治療効果のバランスを考慮し迅速な介入が重要である.
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