演題

RS3-145-13-6

当院における膵頭十二指腸切除術後のドレーン管理

[演者] 高橋 良輔:1
[著者] 渡邊 利広:1, 菅原 秀一郎:1, 手塚 康二:1, 平井 一郎:1, 木村 理:1
1:山形大学附属病院 第一外科

【背景】PD後の手術関連死亡は2.8%,合併症の発生頻度は40%と報告されており,他の消化器手術と比較しても未だに高い.術後膵瘻を伴う腹腔内貯留はSIRSを惹起すること,その再ドレナージは経皮的であっても手術に準じる生体侵襲になる可能性があり,世界的に再ドレナージ率は6.6-22.2%と決して低くない.我々は膵瘻の対処を考えたドレーン挿入と管理が必要であると考えている.
【当科での管理の実際】再建は全例Child変法である.膵空腸吻合周囲には2本の24Fr ファイコンドレーンを正中創から留置し,閉鎖式として水封による自然な圧で持続的に腹腔内を吸引する.ファイコンドレーンは単純な筒であるため内腔からの洗浄が容易であり,感染の培地にある可能性がより少ない.2本のドレーンは洗浄にあたり注入と排出に用いることができ,ドレナージの効率が上がる.POD1,3,5にドレーン排液の生化学検査,培養検査を施行し,ドレーン内を洗浄する.POD5-6にCTでfluid collectionがないことを確認し,膵瘻がなければ順次抜去していく.GradeBの膵瘻に対しては,効果的なドレナージを行うことで局所だけの問題としてSIRSや敗血症を起こさないこと,絶食やサンドスタチンの使用をせず食事摂取で創傷治癒を促すことが重要であると考えている.高濃度の膵瘻に対しては持続洗浄を行い出血を予防する.2012年以降のHard pancreasは膵瘻がほぼないので,POD6以降速やかなドレーン抜去の方針としている.
【成績】2012年から2015年まで74例にPDを施行した.平均年齢は67.4歳,男性48人,女性26人.膵癌31例,胆管癌・Vater乳頭部癌5例,IPMN11例,P-NET6例,その他21例.
術後合併症:全合併症 Clavian DindoⅠ:18例,Ⅱ:35例,Ⅲa:10例,Ⅲb:1例,Ⅳ:1例,膵瘻 grade A;45例,B:8例,C:1例
ドレーン挿入期間中央値20日(8-121),入院期間中央値29日(14-126)であったが,再ドレナージ率は0%であり,2016年までPD連続276例で手術関連死亡率は0%である.
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