演題

RS3-145-13-1

ソフトパンクレアスに対する二期的膵空腸吻合術の有用性

[演者] 石崎 陽一:1
[著者] 徳川 友彦:1, 藤原 典子:1, 吉本 次郎:1, 今村 宏:1, 梶山 美明:2, 坂本 一博:3, 福永 哲:4, 川崎 誠治:1
1:順天堂大学医学部 肝・胆・膵外科学, 2:順天堂大学医学部・食道胃外科, 3:順天堂大学医学部・大腸肛門外科, 4:順天堂大学医学部・消化器低侵襲外科

ソフトパンクレアスにおける膵頭十二指腸切除(PD)後の膵液瘻を含む術後合併症の頻度は高く時に致命的となる.当科ではソフトパンクレアスではPD時に膵空腸吻合を施行せず,3ヶ月後に二期的膵空腸吻合術を行っておりその成績を報告する.
対象:2002年10月から2016年10月までに施行したPD394例中,術中所見でソフトパンクレアスと判断した181例を対象とした.一期的膵空腸吻合が行われた115例(一期群)と二期的膵空腸吻合が行われた66例(二期群)での成績を比較検討した.
結果:男女比,年齢,原疾患,BMIに両群間に差は認められなかった.出血量は一期群397±283mL,二期群329±519mL,輸血例は一期群2例(1.8%),二期群3例(4.5%)と両群間に差は認められなかった.術後合併症は一期群70例(61%),二期群47例(71%)に認められたが,Grade III以上の合併症は一期群12例(10%)であったのに対して二期群では1例も認められなかった(p<0.001).Grade BCの膵液瘻は一期群14例(12.2%),二期群(22.7%)と両群間に差は認められなかったが,二期群ではGrade Cの膵液瘻は1例も認められなかった.一期群では膵液瘻に伴う後出血1例,再手術が4例あったが,二期群では後出血,再手術例はなかった.多変量解析では二期的膵空腸吻合がGrade III以上の術後合併症を軽減する唯一の因子であった.PD後の二期的膵空腸吻合術の手術時間は150±44分,出血量は25±19mLでGradeIII以上の合併症はなかった.膵液瘻はGrade Bが4例認められたがいずれも保存的に軽快し,Grade Cの膵液瘻は1例も認められなかった.
結語:ソフトパンクレアスに対する二期的膵空腸吻合術は二回手術を受けるデメリットはあるもののGrade III以上の合併症,致命的となるGrade Cの膵液瘻を回避できると考えられた.
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