演題

RS3-144-13-6

ドレーンアミラーゼ値から予測する膵液瘻

[演者] 高橋 遍:1
[著者] 網倉 克己:1, 國土 貴嗣:1, 宮﨑 貴寛:1, 福田 俊:1, 風間 伸介:1, 西村 洋治:1, 川島 吉之:1, 田中 洋一:1, 坂本 裕彦:1
1:埼玉県立がんセンター 消化器外科

【背景】膵切除後の合併症対策は膵液瘻の予防および適切な対応に尽きると思われる.ドレーンの早期抜去の有用性が提唱されたが,その一方で早期抜去後のドレーン再挿入や長期の保存的治療を要する症例も一定の頻度で認めることが報告されており,膵液瘻予測およびドレーン抜去時期の判断は肝胆膵外科医にとって喫緊の課題である.
【方法】術式や管理方法が一定した期間を抽出し,2013年1月~2016年12月までに当院において施行したPD100例,DP50例を対象とし,術式毎の短期予後および膵液瘻の予測因子について検討を行った.膵頭十二指腸切除(PD)の再建はロストステントを用いた柿田式もしくはBlumgart変法にて行っており,膵体尾部切除(DP)は基本的には自動縫合器による離断を行っている.1/3/5/7PODにドレーンアミラーゼ値測定を行っている.
【結果1:PD】患者背景は年齢68.5±8.5歳(中央値70歳),男女比:50/50例,対象疾患:膵癌52例,胆管癌26例,膵IPMN21例,乳頭部癌6例,P-NET3例,十二指腸癌2例であった.術後平均在院日数:21.5±9.5日(中央値19日),平均ドレーン抜去日:10.5日(中央値6日),ISGPF GradeA/B/Cは20例(20%)/19例(19%)/0例,膵瘻無し61例(61%)であった.Clavien-Dindo分類ではⅢa:24例(24%),Ⅲb:1例(1%)であった.GradeB症例に着目すると3PODドレーンAMY>500をカットオフ値に設定すると,感度89%/特異度77%となり,5PODドレーンAMY>500では,感度73%/特異度95%であった.また,3PODドレーンAMY>3000では,感度53%/特異度99%であった.
【結果2:DP】患者背景は年齢:65.2±13.1歳(中央値70.5歳),男女比:28/22例,対象疾患:膵癌27例/膵IPMN・MCN14例/P-NET2例/その他7例であった.術後平均在院日数:20.5±15.6日(中央値14日),平均ドレーン抜去日:11.0日(中央値5日),ISGPF Grade A/B/Cは20例(40%)/10例(20%)/0例,膵瘻無し20例(40%)であった.Clavien-Dindo分類ではⅢaが10例,Ⅲb以上は認めていない.GradeB症例は3PODドレーンAMY>2000をカットオフ値に設定すると,感度100%/特異度83%となり,5PODドレーンAMY>1000では,感度80%/特異度90%であった.
【検討/結語】各因子の統計学的解析も併施したが,臨床の現場にて簡便な指標が最も有用であるとの観点からドレーンAMY値にfocusし検討を行った.安全性の担保という観点からするとPDでは3PODおよび5PODドレーンAMY>500,DPでは3PODドレーンAMY>2000は強い予測因子である.
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