演題

RS3-144-13-3

胆管癌切除後の膵液瘻リスク因子の検討

[演者] 北村 博顕:1,2
[著者] 白井 祥睦:1, 柴 浩明:1, 熊谷 祐:1,2, 藤岡 秀一:1,2, 三澤 健之:1,2, 岡本 友好:1,3, 薄葉 輝之:1,4, 中林 幸夫:5, 矢永 勝彦:1
1:東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科, 2:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 3:東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科, 4:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科, 5:川口市立医療センター 外科

【目的】膵液瘻は膵切除術後の合併症の一つであり,発生した場合に重篤な症状になることが多い.一般的に膵実質が柔らかい場合は,膵液の分泌能が維持されており,術後膵液瘻の発生率が高いとされている.そこで我々は胆管癌術後の膵液瘻発生率と膵液瘻の危険因子を多施設のデータを用いて解析した.
【対象・方法】本学附属4病院と1関連病院で2013年1月から2015年12月に膵頭十二指腸切除術を施行した下部胆管癌およびVater乳頭部癌90例(年齢 72.5 ± 8.7 [43-90] 歳, 男:女=60:30, 下部胆管癌59例 Vater乳頭部癌21例)を対象とした.術後膵液瘻発生の有無に関して,患者背景,併存疾患,術前血液検査,手術情報,術後合併症について比較検討を行い,膵液瘻予測因子について解析した.
【結果】ISGPF GradeA以上の膵液漏は39例(43.3%)であった.膵液瘻発生群での術前因子では有意に術前BMIが高く(p=0.004),既往に高血圧(p=0.027),心血管疾患(p=0.024)が多かった.また手術因子では手術時間(401分, p=0.024),出血量(740ml, p=0.029),残膵の硬度 (p=0.046),不完全外瘻(p=0.006)と関連があった.さらに高度技能専門医の手術指導例では膵液瘻発生率が有意に低かった (p=0.021).多変量解析では手術時間(p=0.023),心血管疾患(p=0.039)が独立した膵液瘻予測因子となった.また膵液瘻発生群では術後合併症として無気肺(p=0.046),胸水(p=0.042),肺炎(p=0.012),腹腔内膿瘍(p<0.001),敗血症(p=0.001),体腔SSI(p=0.006)が有意に高率で,術後入院期間が延長した(p=0.001).
【結語】胆管癌に対するPD術後の膵液瘻に関してでは手術時間,心血管疾患が独立した予測因子であり,術後入院期間が有意に延長する.
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