演題

RS3-144-13-2

膵頭十二指腸切除後合併症対策と短期的アウトカムの検証

[演者] 枝元 良広:1
[著者] 三原 史規:1, 黒川 敏昭:1, 徳原 真:1, 山田 和彦:1, 矢野 秀朗:1, 橋本 政典:1
1:国立国際医療研究センター病院 外科

【目的】膵頭十二指腸切除術では膵液瘻を中心とした術後合併症対策が必要で有る.近年膵頭十二指腸切除に伴う手術関連死亡率は低下しているものの,術後合併症発生率は高率であり,入院期間の延長,医療費の増加をきたす.今回合併症防止対策の入院期間,医療費への有効性を検討した.【方法】2008年1月より2016年4月までに膵島十二指腸切除術を施行され,医療費の解析が可能であった120例を対象とした. 2012年7月より施行している合併症予防は,①自動縫合器で実質切離.②膵管空腸マットレス吻合.③膵管ロストテント.④SSPPD.⑤閉鎖式ドレーンと術後4日での抜去である.今回対策施行群A)50例,非完全施行群B)70例で比較検討した.【成績】患者要因として年齢,性別,BMI,疾患,喫煙歴,糖尿病の有無,飲酒癧,術前黄疸とドレナージ方法に差は認めなかった.中央値A),B)で手術時間519分, 539分,出血量145ml,130ml,主膵管径2.9mm,2.85mmであった.術後ドレーン抜去の中央値4.0日,6.0日(p < 0.01)と有意に短かった.しかしながら合併症及発生率はA)46%,B)57.1%と有意差なく,同ISGPF基準を満たす膵液瘻発生率はA)34%,B)22.9%(p=0.215) とA)がやや高かった. 術後ドレーンアミラーゼ値は, 術後1 日(A2725/B742)に差を認めた以外は,同3 日目値(A129/B82),白血球数,アルブミン値,BUN,クレアチニン値,CRP値には差を認めなかった. SSI(A)26%/ B30%と差はないものの,DGE(A)18% / B35.7% (p<0.05)で有意に減少していた.術後日数A)20日,40.5日(p<0.01),入院日数24.0日,40.5日(p<0.01)は有意に短縮改善していたが,手術費用以外の入院費はA)132万円,B)163万円と有意ではないものの約30万円の減少を認めた.術後3週以上入院に関わる多変量解析では,術後合併症(以下オッズ比:17.1),術後3日のクレアチン(3.3),ISGPF膵液瘻(5.7),内瘻ロストすてんと(0.157)が要因であった.【結論】2012年からのPD術後合併症対策は,短期的なアウトカムの改善に有効であった.
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