演題

RS3-143-13-5

膵頭十二指腸切除後の感染性合併症予測における血清プロカルシトニン値の意義

[演者] 飯田 洋也:1
[著者] 谷 眞至:1, 赤堀 浩也:1, 北村 直美:1, 前平 博充:1, 三宅 亨:1, 園田 寛道:1, 清水 智治:1, 貝田 佐知子:1, 仲 成幸:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

(目的)
プロカルシトニン値(PCT)は,カルシトニンの前駆物質で,細菌性感染症で白血球,CRP値より早期に上昇することが知られている.今回,膵頭十二指腸切除例を用いて,PCTが白血球,CRP値より早期に術後感染性合併症を予測できるかどうか明らかにすることを目的とした.

(方法)
2011年1月から2016年4月末までの,他臓器合併切除例を除く膵頭十二指腸切除症例81例中,術後1日目,3日目にPCT,白血球数,CRP値を測定した77例を対象とした.術後合併症のうちClavien-Dindo分類GradeⅡ以上の感染性合併症を,術後感染ありとして,患者背景因子,血液検査所見,手術関連因子等を検討した.

(結果)
術後感染を34例(44%)に認めた.術後1日目のPCT値の中央値は,術後感染あり群で1.98ng/mlに対し,術後感染なし群では1.94ng/mlと有意差を認めなかった.術後1日目の白血球,CRP値も有意差を認めなかった.また,術後3日目のPCT値は,術後感染あり群2.65ng/mlに対し,なし群0.66ng/mlと有意差を認めた(p=0.001).同様に,術後3日目のCRP値でも有意差を認めたが(17.49mg/dl vs. 10.83mg/dl; p=0.002),白血球数では有意差を認めなかった.術前胆道ドレナージを施行しなかった37例を用いたサブグループ解析では,術後1日目のPCT値の中央値は,術後感染あり群で2.09ng/mlに対し,術後感染なし群では1.15ng/mlと有意差を認めたが(p=0.03),術後1日目の白血球,CRP値では有意差を認めなかった.術後3日目においては,PCT値(2.51ng/ml vs. 0.44ng/ml; p=0.004),CRP値(17.49mg/dl vs. 11.60mg/dl; p=0.03)ともに有意差を認めたが,白血球数では有意差を認めなかった.

(結語)
膵頭十二指腸切除例において,術前胆道ドレナージ非施行例では,PCTはCRP値,白血球数より早期に術後感染性合併症を予測し得た.
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