演題

RS3-142-13-3

膵頭十二指腸切除術における術後CTと膵液瘻の関連

[演者] 前平 博充:1
[著者] 谷 眞至:1, 飯田 洋也:1, 赤堀 浩也:1, 塩見 尚礼:1, 北村 直美:1, 仲 成幸:1, 清水 智治:1, 三宅 享:1, 貝田 佐知子:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

【背景と目的】
膵頭十二指腸切除術における術後膵液瘻(POPF)は腹腔内膿瘍や仮性動脈瘤の形成などの重篤な病態につながる合併症であり,POPFを予測することは重要である.今回,術前ならびに術後4日目のCT画像とPOPFの関連ついて検討した.
【対象と方法】
2011年1月から2016年3月に,肝切除を伴わない膵頭十二指腸切除症例連続80例を対象に,後方視的に検討を行った.POPFはISGPF基準を用い,Grade B/CをPOPF+とした.術後4日目に撮影した造影CT画像を用いて,1)術後4日目の膵腸吻合部の膵腫大程度,2)腹水の有無と範囲を測定し,POPFとの関連について検討した.膵腫大の程度の評価は,CTの水平断において,膵空腸吻合部の膵断端部の厚さと,術前における同部位の膵の厚さの差とした.
【結果】
術後4日目のCT画像において,吻合部の膵腫大を認めた症例は71例(89%)であり,平均5.0mmの膵腫大を認めた.5.0mm以上の膵腫大を認めた症例では,5.0mm未満の膵腫大を認めた症例に比して,高率にPOPFを認めた(90.4% vs 35.6%,p<0.001).腹水に関しては,膵周囲のみに認めた症例が47例で,うちPOPFを認めた症例が18例,肝周囲まで認めた症例が15例で,うちPOPFを認めた症例が10例であった.POPFに注目したところ,POPFは80例中21例(Grade B/C: 15/6例)に認め,吻合部の膵腫大はPOPF+群が中央値8.3mm,POPF-群では3.8mmで,POPF+群で膵腫大を認めた(p<0.001).また,術後CT画像での,膵周囲に限局する腹水(p=0.003),肝周囲の腹水(p<0.001)もPOPF+群で多く認めた.
【結語】
膵頭十二指腸切除術後の膵液瘻症例で,術後4日目のCT画像で吻合部の膵腫大や腹水貯留を認めることから,術後CT画像がドレーン抜去の基準となる可能性が示唆された.
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