演題

RS3-141-13-2

75歳以上の胆道癌手術症例の後方視的検討-適切な術式選択の考慮-

[演者] 木村 隆:1
[著者] 岡田 良:1, 石亀 輝英:1, 小船戸 康英:1, 佐藤 直哉:1, 渡邊 淳一郎:1, 見城 明:1, 志村 龍男:1, 河野 浩二:2, 丸橋 繁:1
1:福島県立医科大学医学部 肝胆膵・移植外科学講座, 2:福島県立医科大学医学部 消化管外科学講座

【はじめに】
胆道癌手術では安全性と根治性のバランスを考慮した術式選択が重要であるが,高齢者ではその判断はより困難である.適切な術式選択の一助となるよう胆管癌切除症例の後方視的検討を行った.
【方法】
2004年から2016年に当科で切除術を施行した胆管癌患者83例(A群:75歳以上:33例/B群:75歳未満:50例)を対象に患者背景,腫瘍および手術に関する因子,周術期成績,予後について下記の項目を検討した.
【結果】
患者背景ではA群で高血圧の合併率が高く(p=0.047),糖尿病の合併率も高い傾向にあった.また,Neutrophil to Lymphocyte Ratio(NLR)がB群に比して有意に高かった(p=0.003).腫瘍の局在および選択された術式の分布には差はなく,病期,リンパ節転移の有無にも有意差を認めなかったがA群では非治癒切除となっている比率が高い傾向が認められた.Clavien-Dindo分類による術後有害事象の頻度には差がなく,術後在院日数にも有意差を認めなかった.長期予後では全生存率(p=0.006),無再発生存率(p=0.05)ともに有意にA群で不良であった.
【考察】75歳以上の症例では高血圧・糖尿病の合併やNLRの上昇などがあり,75歳未満に比べ患者背景は不良であったが,手術関連死亡はなく,術後有害事象や術後在院日数にも有意差はなく同等に安全な手術が実施されていた.一方,75歳以上の症例では予後が有意に不良であり,原因としては患者背景と非治癒切除症例の多さが挙げられた.
【結語】安全性が担保された施設では根治性向上のために全身状態の良い高齢者に対する手術術式の拡大を検討する余地があり適切な患者選択が今後の課題である.

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