演題

RS3-141-13-1

高齢者胆管癌に対する治療選択の現状と問題点

[演者] 斎藤 拓朗:1
[著者] 添田 暢俊:1, 押部 郁朗:1, 根本 鉄太郎:1, 松井田 元:1, 五十畑 則之:2, 隈元 謙介:2, 遠藤 俊吾:2, 樋口 光徳:1
1:福島県立医科大学会津医療センター 外科, 2:福島県立医科大学会津医療センター 小腸・大腸・肛門科

高齢者の胆管癌では病変の進展範囲に基づいて考えられる治療法の中から,加齢に伴う併存疾患などを考慮して個々の症例に適した治療法を選択する必要がある.当施設では,癌進展範囲の術前診断で切除可能かつPS2以上は手術の方針としている.今回,後期高齢者に対する胆管癌治療の現状と問題点について検討した.【対象と方法】2010年4月~2016年11月に当施設の消化器内科と外科で治療した胆管癌72例を対象とし,75歳以上の後期高齢者(以下,後高群)と非後期高齢者(以下,非高群)に分け,占拠部位,切除率,非切除の理由,術後合併症,治療成績などについて検討した.【結果】胆管癌72例中,後高群52例,非高群20例と後期高齢者が69%を占めていた.占拠部位は後高群ではBp/ Bd/ Bpd:14/32/6,非高群では:9/7/4例.切除率は後高群20%(12/52),非高群55%(11/20)と,後高群で有意に低値であった(p<0.05).非切除の理由は,後高群では"癌の進展/術前合併症/高齢で手術を希望せず":20/11/9,非高群は:9/0/0と,後期高齢者では併存合併症と高齢を理由とする非切除症例を認めた.非切除例では後高群1例を除いて胆道ステントによる内瘻化を実施.抗癌剤治療は後高群28%,非高群67%で実施し,後期高齢者では抗癌剤治療実施率が有意に低かった(p<0.05).非切除例の生存期間の中央値は,後高群5.5ヶ月,非高群10ヶ月.切除例の術式は,後高群PD/肝葉切除/HPD/胆管切除:9/1/1/1,非高群:6/4/0/1であった.進行度は,後高群はⅠ/Ⅱ/Ⅲ:3/8/1,非高群は:5/5/1.根治度は,後高群はR0:92%(11/12),非高群はR0:72%(8/11)と有意差なし.術後合併症は,後高群67%,非高群55%に認め有意差なし.Clavien-Dindo分類による合併症の内訳は,後高群はⅠ/Ⅱ/Ⅲa/Ⅲb:0/7/1(仮性動脈瘤)/0,非高群は1/3/1(腹腔膿瘍)/1(門脈血栓)であった.切除例の3年生存率は,後高群38%,非高群53%で有意差を認めなかった.【結語】胆管癌は後期高齢化率が高いが,前述の方針で後期高齢者の切除例では術後合併症・生存率とも非後期高齢者と同等であった.しかし,後期高齢者は半数に併存合併症と高齢を理由とする非切除症例を認め,抗癌剤治療実施率も低い.
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