演題

RS3-140-13-4

門脈圧亢進症に対する腹腔鏡下Hassab手術(HALS)の検討

[演者] 有川 卓:1
[著者] 駒屋 憲一:1, 大澤 高陽:1, 倉橋 真太郎:1, 松村 卓樹:1, 齊藤 卓也:1, 石黒 成治:1, 小松 俊一郎:1, 宮地 正彦:1, 佐野 力:1
1:愛知医科大学病院 消化器外科

【はじめに】当科では内視鏡治療やIVR治療に抵抗性の難治性門脈圧亢進症に対してHassab手術や脾摘を行いこれに内視鏡治療を組み合わせる方針で治療を行なっている. 2008年からは低侵襲化を目指し原則として腹腔鏡手術で行なっている. 【対象と方法】2008年1月から2015年5月までにHassab手術を行った29例のうち肝切除を併施した1例を除く28例について腹腔鏡: L群と開腹: O群に分けて検討. 【結果】腹腔鏡は17例全例HALSで行い開腹は11例. 術前の糖尿病や高血圧など併存疾患には両群間に差を認めなかった. 術前検査所見は血小板値(L群: 4.9万, O群: 7.4万), PT等いずれも差は認めなかった. BMIはL群が24.2でO群が20.7で有意にL群が高値だった. 手術関連データは摘出脾重量(L群: 697g, O群: 695g)に差は無いが出血量は(L群: 173g, O群: 524g)L群が有意に少なかった. 手術時間は(L群: 305分, O群: 201分)L群が有意に長かった. 腹腔鏡群を前期8例, 後期9例に分けて検討すると脾重量は前期664gから後期705gと増大しているが出血量は686gから135gと減少し手術時間は330分から305分へと短縮していた. 合併症は門脈血栓をL群: 9例, O群: 6例に認め大量腹水を6例(L群: 2例, O群: 4例)に認めた. 他にSSIと膵液瘻をL群, O群それぞれ1例ずつ認めO群では後出血も1例に生じた. 術後在院日数は(L群: 18日, O群: 34日)腹腔鏡群が有意に短かった. 血小板値は全例で増加(2年後20.1万, 3年後19.5万)し静脈瘤も全例で改善(F1以下)した. 術後平均観察期間は51ヶ月で静脈瘤再発出血は2例に認めた.【まとめ】腹腔鏡手術は手術時間が長くなるが合併症は開腹手術より少なく術後在院日数の短縮が可能であった. 安全性も問題無く手術時間や出血量についてはlearning curveにより改善も期待できる. 【結語】腹腔鏡Hassab手術は在院日数の短縮などのメリットがあり有望な治療となる事が考えられる.
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