演題

RS3-140-13-3

門脈圧亢進症に対する腹腔鏡下手術の術中出血や術後合併症に関わる因子の検討

[演者] 太田 正之:1
[著者] 髙山 洋臣:1, 多田 和裕:1, 平下 禎二郎:1, 嵯峨 邦裕:1, 遠藤 裕一:1, 内田 博喜:1, 岩下 幸雄:1, 猪股 雅史:1
1:大分大学医学部消化器・小児外科

【はじめに】門脈圧亢進症に対する外科治療に腹腔鏡下手術が導入され20年以上が経過している.脾臓摘出術や胃上部血行郭清術が行われているが,術中大量出血や術後合併症に遭遇することも少なくない.そこで今回,当科で施行した門脈圧亢進症に対する腹腔鏡下手術の術中出血や術後合併症に関わる因子について検討したので報告する.【方法】過去24年間に門脈圧亢進症に対する腹腔鏡下手術を27例施行した.平均年齢55才,男性13例,女性14例であり,基礎肝疾患は肝硬変症24例,特発性門脈圧亢進症2例,肝外門脈閉塞症1例であった.肝機能はChild-Pugh分類Grade A 19例,Grade B 8例であり,肝癌を2例に合併していた.施行手術は脾臓摘出術+胃上部血行郭清術7例,脾臓摘出術+MCT2例,脾臓摘出術のみ16例,胃上部血行郭清術のみ2例であった.術中≧1000mlの大量出血ならびに術後合併症に関わる因子についてFisherの直接確立法で検定を行った.【結果】平均手術時間242分,術中出血量459mlであり,2例(7%)が術中にHALSに移行したが,開腹への移行症例はなかった.術後合併症は6例(22%)に認め,門脈血栓3例,術後出血2例(再手術1例),膵液瘻1例(再手術症例),敗血症1例であったが,死亡例は認めなかった.術中の大量出血に関連する有意な因子は手術時期(2004年以前)であり,術後合併症に関連する有意な因子は500g以上の巨脾であった.【結語】門脈圧亢進症に対する腹腔鏡下手術は以前に比べ安全に施行できるようになっているが,巨脾症例においては慎重に対処すべきと考えられた.
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