演題

RS3-110-6-6

肝切除後難治性胆汁漏のリスクと内視鏡的胆道ドレナージの意義

[演者] 合川 公康:1
[著者] 上野 陽介:1, 渡邉 幸博:1, 岡田 克也:1, 岡本 光順:1, 佐藤 弘:1, 櫻本 信一:1, 山口 茂樹:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

背景: 肝切除後の合併症として,胆汁漏は,しばしば認められる合併症であり,致死的な病態に陥ることは少ないが,治癒までに長期入院を要する合併症の一つである.術後に発生した胆汁漏の治療法においては,体表ドレナージ,内視鏡的ドレナージ,そして再手術等の選択肢があるが,どの時期に,どのような治療法が至適であるかは未だ報告はない.本検討では,肝切除後胆汁漏における難治性化リスク因子と,その治療方法としての内視鏡的ドレナージ効果を検討した.
方法:当院では,肝切除後,体表ドレナージにて胆汁性排液が1日100cc以上続く場合は難治例と判断し,内視鏡的胆道ドレナージにてENBDを留置し,その後内瘻ステントへの交換を行っている.2014年1月から2016年11月に当院で行われた胆道再建を伴わない肝切除250症例中,胆汁漏を併発し,内視鏡的ドレナージを行った10例と,胆汁漏を併発したが通常ドレナージで治癒した症例8例を比較し難治性化のリスクを検討した.また,内視鏡的ドレナージ術が2回以下の群(n=6)と3回以上の群(n=4)を比較し内視鏡ドレナージ困難化リスクを検討した.
結果:内視鏡的ドレナージが必要になる難治性胆汁漏症例は,糖尿病合併率が高く,手術時間,出血量が多い傾向にあった.手術術式は内側区域を含む切除が多く,原因胆管はB4(5例)が多い傾向にあった.退院可能な状態になるまで内視鏡的胆道インターベンションは2.0(1-4)回要し,内視鏡的ドレナージ開始から退院可能まで32(6-57)日であった.内視鏡治療が治癒までに3回以上必要となる群は有意に高齢であった.
結論:肝切除において,出血量,手術時間,DMは術後胆汁漏が難治性化するリスク因子であることが示唆された.術後胆汁性排液が多い場合は,早急に内視鏡的胆道ドレナージ導入を検討し,入院期間短縮と,QoL改善に努めるべきである.
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