演題

RS3-110-6-2

血清プロカルシトニンを用いた肝切除術後胆汁漏の早期予測

[演者] 青木 悠人:1
[著者] 谷合 信彦:1, 吉岡 正人:1, 川野 陽一:2, 清水 哲也:1, 神田 知洋:1, 近藤 亮太:1, 金谷 洋平:1, 古木 裕康:1, 内田 英二:1
1:日本医科大学付属病院 消化器外科, 2:日本医科大学千葉北総病院 外科

【はじめに】術後胆汁漏(post-operative bile leakage: POBL)は肝切除術後にしばしば発症する合併症で,治療にはドレナージを要することもある.術後早期には明らかでなかったが数日経過してから初めて発症が明らかになることも少なくない.また血清プロカルシトニン (procalcitonin: PCT)は細菌感染に特異性の高い炎症マーカーで,術後感染性合併症での有用性も報告されている.
【目的】PCTを用いPOBLの早期予測が可能か検討する.
【対象・方法】2015年12月から2016年8月までに当科で施行した肝切除症例のうち,術後にPCTを測定された40例を対象とした.40例の内訳は肝細胞癌21例・転移性肝癌13例・肝門部領域胆管癌2例・胆嚢癌,血管腫,血管筋脂肪腫,肝内結石症がそれぞれ1例であった.1区域以上の切除が17例あり,また腹腔鏡下手術は部分切除・外側区域切除合わせて16例であった.POBL (腹腔内膿瘍含む)の有無によりPOBL(+)群とPOBL(-)群に分け,術後(POD)1・2・3・5・7日におけるWBC・CRP・PCT値の関係を後方視的に検証した.
【結果】POBLを7例で認め,いずれもドレナージを要した.2例はPOD2での発症であったが,5例はPOD6以降にPOBLが明らかになった.図に示す通り,WBC・CRPはPOD7でのみPOBL(+)群で有意に高値であったが,PCTはPOD1よりPOBL(+)群で有意な高値を示した.POD2のPCTを用いたROC解析ではAUC 9.44で,cut off値を0.44とすると,感度 100%・特異度 83%でPOBLの診断が可能であった.
【結論】PCTはPOBLの早期予測に有用である.POBLの早期予測により,早期に介入を行えることで,合併症の重篤化を予防できる可能性がある.

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