演題

RS1-49-18-6

十二指腸GISTに対する手術の検討

[演者] 油原 信二:1
[著者] 橋本 雅司:1, 西岡 裕次郎:1, 本田 文:1, 進藤 潤一:1, 春田 周宇介:1, 上野 正紀:1, 宇田川 晴司:1
1:虎の門病院 消化器外科

【緒言】GISTは胃に最も多く発生するが,十二指腸原発も約5%である.腫瘍の局在や発育形態によっては臓器温存手術が選択肢となる.【目的】当科における十二指腸GISTの加療例を臨床病理学的に検討した.【方法】1999年2月から2016年11月までに施行した十二指腸GISTに対する切除13例の腫瘍の局在,術式,再建法,術後合併症,在院日数,病理組織,予後について検討した.【結果】腫瘍の局在は球部2例,下行脚2例,下角7例,水平部2例であり,壁在は前壁2例,後壁1例,乳頭側6例,乳頭対側4例,周在は1/4周性以下が5例,1/3周性が5例,1/2周性が2例,1例は不明であった.発育形態は内腔突出型が5例,壁外発育型が5例,内外発育型が3例であり,8例で粘膜面に潰瘍形成を伴っていた.術式は,十二指腸部分切除6例(以下P群),十二指腸分節切除6例(以下S群),膵頭十二指腸切除1例(以下PD群)であった.再建は,P群の内1例はRoux-en-Y法を施行し,S群の内5例は十二指腸空腸吻合,1例は胃十二指腸端々吻合を施行した.またPD群では膵胃吻合を施行した.在院日数中央値は16日(9-57),手術時間185分(100-340),出血量210ml(24-1512)であった.術後合併症は,P群で吻合部出血1例,S群では縫合不全1例,胃内容排出遅延2例,膵液漏1例,PD群では膵胃吻合部の縫合不全1例を認めたが,全て保存的加療により軽快した.病理診断では,腫瘍径17-50mm(平均32mm),リンパ節転移はなし,Modified Fletcher分類ではP群とS群で高リスク1例ずつ,他11例は低リスクであった.高リスクの2例は術前内視鏡で強い潰瘍形成を認め,2型腫瘍に近い所見であった.再発はP群の高リスク1例のみで,術後1年7ヶ月で肝転移及び鼠径リンパ節転移が判明した.【考察】十二指腸部分切除は腫瘍が内腔突出型である場合や,1/2周性以上の広がりを呈する場合は困難であり,十二指腸分節切除の適応となる.十二指腸分節切除を施行する際は肛門側を授動し,トライツ靱帯より右側の後結腸経路で挙上して吻合している.術後合併症では胃内容排泄遅延と縫合不全が問題となるため,血流を温存しつつ可及的に空腸間膜を切離して授動すること,経鼻胃管を吻合部以遠まで進め減圧を図ることが重要である.また,乳頭より尾側の腫瘍では,胆道造影により乳頭の温存を確認している.【結語】当科における十二指腸GIST切除術13例について検討した.
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