演題

RS1-49-18-4

小腸GISTと胃GIST切除例の臨床病理学的検討

[演者] 河口 賀彦:1
[著者] 赤池 英憲:1, 土屋 雅人:1, 平山 和義:1, 中田 祐紀:1, 細村 直弘:1, 川井田 博充:1, 藤井 秀樹:1
1:山梨大学医学部 外科学講座第一

【目的】GISTは全消化管から発生するといわれているが,発生部位は胃が最も多く,次いで小腸に多いとされる.小腸GISTは胃GISTに比較して悪性度が高いとされている.そこで,当科における小腸GISTと胃GIST切除例の比較検討を行った.
【対象と方法】2001年から2016年9月までに当科で手術が施行された小腸GIST 10例,胃GIST 57例の計67例を対象とした. なお,統計はMann-Whitney's U testとFisher's exact testを用いた.
【結果】年齢中央値は,小腸GIST:胃GISTが73歳(39~81歳):69歳(36~88歳),最大腫瘍径中央値はそれぞれ45mm(25-95mm):35mm(4-250mm)であった.小腸GISTは胃GISTに比べて有意に有症状で診断されることが多く(小腸GIST:胃GIST=50%:18%),modified-Fletcher分類で,高リスクとそれ以外の割合を検討すると小腸GISTの高リスクの割合が有意に多かった(小腸GIST:胃GIST=40%:12%).また免疫染色では,小腸GISTの方がSMA染色において有意に陽性率が高かった(小腸GIST:胃GIST=70%:25%).遺伝子変異の検索は,小腸GISTの高リスク群の4例中3例に施行したが,exon 11変異を2例,exon 9変異を1例に認めた.一方,胃GISTの高リスク群には6例中3例に遺伝子検索を施行したが全例exon 11の変異であった.高リスクの症例のうち術後のイマチニブ投与は小腸3例,胃4例に施行し,再発は小腸2例,胃1例に認めた.高リスクの小腸GISTの再発症例の1例はexon9の変異を認め,イマチニブ投与がされていなかった症例で術後2年4ヶ月後に肝転移を認め,切除し,その後1年,再発を認めていない.もう1例は,術中より播種を認めた症例でexon11変異を有した症例であった.イマチニブ投与を行い,耐性腫瘍に対しては7回手術を施行した患者であったが,術後15年2ヶ月で原病死された.一方,高リスク胃GISTの再発例は術中播種を伴う症例で術後イマチニブ投与を行なったが,術後3ヵ月で肝転移と播種を認め,4年4ヶ月で原病死された.その他,胃GISTの中リスク群に1例,小腸GISTの低リスク群に1例の再発を認めた.
【結論】今回の検討で小腸GISTは胃GISTよりも高リスク群が多く,術後の再発も念頭に置いた集学的治療が必要だと考えられた.その際に遺伝子検索が治療方針決定に有用だと考えられた.
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