演題

RS1-49-18-2

当科における胃GIST手術症例の検討

[演者] 中須賀 千代:1
[著者] 武田 茂:1, 飯田 通久:1, 兼清 信介:1, 坂本 和彦:1, 鈴木 伸明:1, 吉野 茂文:2, 硲 彰一:3, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院消化器腫瘍外科学, 2:山口大学医学部附属病院腫瘍センター, 3:山口大学医学部 先端分子応用医科学講座(消化器・腫瘍外科学)

【背景】胃GISTに対する外科的治療は部分切除が推奨されており,当科でも可能な限り部分切除を行っている.その際,自動縫合器での閉鎖法が容易であるが,通過障害や胃変形が危惧される病変には縫合閉鎖を選択し,最近は完全鏡視下でV-loc縫合を行っている.
【対象と目的】2001-2015年に当科で外科的治療を行った胃GIST症例63例を対象に,臨床病理学的因子,術式,合併症,再発転移の有無について検討した.
【結果】腫瘍占拠部位は,U領域39例,M領域21例,L領域3例であった.発育型は管内発育型33例,管外発育型22例,混合型8例であった.手術アプローチは開腹(open:O)20例(31%),腹腔鏡補助(laparoscopy assisted:LA)6例(10%),完全腹腔鏡(Laparoscopic:L)37例(59%)であった.術式は部分切除が61例(97%),定型切除は2例(3%)であった.部分切除術は,自動縫合器での楔状切除法(wedge resection:WR),全層切除後の自動縫合器閉鎖法(stapler closure:StC),全層切除後の縫合閉鎖法(suture closure:SuC)の3通りで行い,腫瘍周囲の胃壁切除範囲はSuC群が最小であった.L群の内訳は,L-WR群21例,L-StC群10例,L-SuC群6例であり,平均手術時間は各々165分,251分,243分で,L-WR群が最も早く,L-StC群とL-SuC群で差はなかった.在院日数の中央値は,O群13日(9~22),LA群17.5日(6~47),L群10日(6~20)でL群が最も短かった.合併症に縫合不全は認めなかったが,3例(O-SuC,L-StC,L-SuCに1例ずつ)に胃内容排出遅延(DGE)を認めた.術前と比較した術後の体重変化率の中央値は0kg(-7.7~10)であった.術後再発は3例に認め,1例は再切除を行い,2例は切除不能でイマチニブの投与中である.
【考察】当科での胃GISTの部分切除術は,97%と高率に施行され,術後の著明な体重変化はなく,機能温存が可能な術式であった.合併症に,SuC群2例にDGEを認めたが,いずれも一過性で現在症状は認めていない.特に最近行っているLap-SuCは手術時間に大差なく在院日数は短く,有用な術式であり,今後も症例を重ね成績を検討したい.
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