演題

RS1-48-18-5

GISTに対するイマチニブ使用の工夫と長期成績-多施設GIST集積研究から-

[演者] 緒方 杏一:1
[著者] 矢内 充洋:1, 木村 明春:1, 生方 泰成:1, 高橋 研吾:1, 岩松 清人:1, 鈴木 雅貴:1, 矢野間 透:1, 木暮 憲道:1, 桑野 博行:1
1:群馬大学附属病院外科診療センター

【背景】GISTの臨床的,基礎的研究を通じ,新たな知見を報告すべく検討するためには単一施設でのGIST症例数には限りがあり,よりエビデンスレベルの高いデータを発信するためには各施設におけるGIST症例を集積し,検討することが必要である.われわれは,北関東を中心に多施設におけるGIST症例を集積し,検討してきた.GIST症例の検討から,イマチニブ治療の工夫とその成績を報告する.
【対象】当科および関連10施設において2001年以降にGISTと診断された234例につきデータを集積した.その内,転移・再発GISTに対しイマチニブを使用し,評価・追跡がっ可能であった41例について検討した.
【結果】転移,再発に対しイマチニブを使用し評価可能であった症例41例(初発切除不能17例,再発24例,術後補助療法除く)の治療効果は,CR 7例(17.1%),PR 20例(48.8%),SD 8例(19.5%),PD 6例(14.6%)で,奏効率65.9%,SDを含めた病勢安定化率85.4%であった.イマチニブ耐性症例9例はスニチニブによる2次治療に移行した.全41例の生存率を検討すると,1年生存率,3年生存率,5年生存率はそれぞれ92.3%,74.9%,53.8%と良好であった.単変量解析を行うと,最良治療効果CR+PR,イマチニブ減量投与ありが有意に予後良好因子であった.また,統計学的有意差は無いものの,原発巣の腫瘍径10cm以下,胃原発が予後が良い傾向があった.リスク分類や転移の形態,手術介入の有無やスニチニブ使用の予後に与える影響は見出せなかった.イマチニブ投与を継続している症例の血中濃度測定では,300 mg/日で投与中のトラフ値は概ね800 ng/mlを超えており,必ずしも有効血中濃度とされる1100 ng/ml以上を維持していなくても病勢コントロールが可能であった.
【まとめ】進行,再発GISTに対しイマチニブは有効で,5年生存率は50%を超えていた.これまでの報告でもresponderに対しては長期間のイマチニブ継続が有用であることが示されている.副作用のため300 mg/日への減量投与を行った症例はいずれも病勢安定後長期にイマチニブ投与を継続できており,血中濃度等を参考にできるだけ長期間投与を継続することが予後の改善に寄与する可能性が示唆された.無増悪を維持するmaintenance doseとしての血中濃度の意義につき更なる検討が必要と考えられた.
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