演題

RS1-48-18-1

当院で切除した直腸Gastrointestional Stromal Tumor 9例の臨床的検討

[演者] 中尾 重富:1
[著者] 永原 央:1, 福岡 達成:1, 渋谷 雅常:1, 前田 清:1, 天野 良亮:1, 田中 浩明:1, 六車 一哉:1, 平川 弘聖:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

[背景]直腸のGastrointestional Stromal Tumor(GIST)はその頻度が比較的少なく,消化管原発のGISTのうち5-10%とされている.近年GISTの治療は大きく変化してきており,イマチニブによる術前化学療法の安全性とその有用性についての報告が散見されるようになったが, 未だコンセンサスを得られていない.[目的と対象]当科にて2007年1月から2016年11月までの期間に手術を施行した直腸GISTの9例(男性5例,女性4例)について臨床成績を検討した.[結果] 手術時の年齢中央値は64歳,腫瘍径の中央値は6.0cm.術後観察期間の中央値は18.5ヶ月で観察期間中の原病死は認めていない.術前化学療法は5例に対して施行し,いずれも長径5cmを超えるbulkyな腫瘍,もしくは他臓器浸潤認め,手術困難が予想される症例であった.有害事象は1例においてイマチニブでStevens-Johnson症候群をきたし,さらにスニチニブでも肝機能障害と倦怠感を来したために中断したが,他の4例はイマチニブを400mg/日,6ヶ月間投与し,軽度の骨髄抑制を認めたのみであった.ChoiらによるCT効果判定ではPRが3例,SDが2例であった.術式は術前腫瘍径6.5cm以上の3例で腹会陰式直腸切断術(APR)を,2例で腹腔鏡補助下内肛門括約筋切除術(Lap-ISR)を行った. 術中合併症はAPRの1例で左尿管損傷を認めた.術後合併症は骨盤内感染3例,腸閉塞2例,ストーマ周囲炎1例であった.術前化学療法を行わなかった4例では,他臓器癌を伴う腫瘍径16cmの1例でAPRを行ったが,他の3例は腫瘍径が2cm未満で,1例でLap-ISRを,2例で経肛門的腫瘍切除術を行った.合併症は腸閉塞1例,吻合部狭窄1例であった.再発は9例中3例でみられ,肝再発2例,骨盤内再発1例で再手術によりR0手術が施行できた. [まとめ]bulkyな腫瘍を有する症例では術後合併症や再発が多く見られた.術前化学療法奏効例では肛門機能温存や縮小手術が期待できることから,bulkyな腫瘍,もしくは他臓器浸潤認め,手術困難が予想される症例が予想される症例に対し術前化学療法は有用であると考えられた.
詳細検索