演題

RS1-42-15-3

大腸癌腹膜播種の手術

[演者] 藤本 佳也:1
[著者] 秋吉 高志:1, 長嵜 寿矢:1, 小西 毅:1, 小倉 淳史:1, 三城 弥範:1, 日吉 幸晴:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景】大腸癌の同時性腹膜播種症例に対する治療は,手術と化学療法である.まず原発巣切除(肉眼根治手術か姑息的手術か)を行い,術後に化学療法を行うか,または,切除せずに化学療法を行うか,しかないのが現状である.今回,当科における大腸癌手術時に腹膜播種を伴う症例について検討した.さらに,肉眼的根治切除がされた症例において追加検討した.【対象】2004年7月から2015年12月に手術を施行した初発大腸癌5525例中,手術時に腹膜播種を認めた症例は245例(4.5%)であった.腹膜偽粘液腫は除外.原発切除209例(根治度B;52例,根治度C;157),原発巣非切除36例(試験開腹2例,バイパス3例,人工肛門31例)であった.【結果1】年齢61歳(21-87歳),性別(男121,女124),腫瘍径55mm(10-170mm),深達度(T3;28,T4a;151,T4b;66),リンパ節転移(なし;25,あり;220),播種の診断(術前95,術中145,術後5),腹水細胞診(陰性;119,陽性;114,不明;12),播種(P1;55,P2;62,P3;128),他の遠隔転移(なし;84,あり;160).生存期間中央値は,P1は30カ月,P2は27カ月,P3は15カ月で,根治度Bは37ヶ月,根治度Cは20ヶ月,原発非切除は11ヶ月であった.播種別に根治度でみると,P1の根治度Bでは51カ月,根治度Cでは21カ月,P2の根治度Bでは23カ月,根治度Cでは28カ月であった.他の遠隔転移の有無での生存期間中央値は,なし21カ月,あり20カ月であるが,遠隔転移のない84例の5年生存率はP1:53%,P2:33%,P3の生存期間中央値は17カ月であった.【結果2】根治度Bの52例では,1例の他癌死を除き,14例は無再発生存(8-128カ月),7例は再発治療後に無再発生存中(48-136カ月),4例は再発治療中(13-53カ月),26例は再発死亡.37例の初回再発部位は,播種:20,播種以外:17(肝;12,肺;3,大動脈周囲リンパ節;5重複あり)例であった.【まとめ】腹膜播種を伴う大腸癌では,P1・P2症例でも生存期間の延長が期待できる.また,根治度Bの切除であれば予後も期待でき,さらに根治度Cであっても,原発巣切除によって生存期間の延長が見込めるかもしれない.
詳細検索