演題

RS1-41-15-6

肝細胞癌腹膜播種に対する外科的切除の意義

[演者] 中島 隆善:1
[著者] 相原 司:1, 生田 真一:1, 楠 蔵人:1, 赤塚 昌子:1, 北村 優:1, 光藤 傑:1, 柳 秀憲:1, 山中 若樹:1, 覚野 綾子:2
1:明和病院 外科, 2:明和病院 病理

【緒言】肝細胞癌(以下,HCC)の腹膜播種は比較的頻度が低いものの肝外再発の1つであり,それに対する治療は肝癌診療ガイドラインによれば緩和医療か分子標的薬の選択とされている.積極的な外科的切除による局所制御が長期予後に寄与するとの報告もあるが,その意義は明らかでない.今回,自施設でのHCC腹膜播種に対する外科的切除例を検討し,その適応と意義について報告する.
【対象・方法】2005年1月から2015年12月までのHCC播種切除19例を対象とした.患者内訳は平均年齢68.8歳,男/女=15/4.Child-Pugh分類:A/B/C=14/5/0.B型/C型/非B非C肝炎=3/12/4.前治療(肝切除,経皮的ラジオ波焼灼術,肝動脈塞栓術)は全例に施行されていた.19例中4例に2回以上の播種切除(最高10回)が行われた(全32手術例).対象症例の累積生存率(Kaplan-Meier法)および切除した播種腫瘍の病理組織学的発育形態,組織型について検討を行った.
【結果】播種切除個数の平均は6.2(1-57)個であった.全32手術例中,腫瘍の発育形態は浸潤型6例/膨張型26例で,組織型は低分化8例/中分化24例であった.全19症例の(初回)播種切除後の平均生存期間は31.9±3.4か月,生存期間中央値29か月であった.生存例8例は全例1.5年以上生存しており,肝内無再発は1例,残りはリンパ節転移も認めるも局所コントロール良好である.死亡例11例のうち播種切除後生存期間6か月未満の4例は組織型がいずれも低分化型で,かつ3例は浸潤型であった.単変量解析にて播種切除後再発および発育形態が有意な予後因子として抽出された.また,複数回の播種切除を行った4例はいずれも膨張性発育を呈しており,平均生存期間は43.2か月と比較的長期の生存が得られた.
【結語】HCC腹膜播種で膨張性発育を呈する症例は積極的な外科的切除が長期予後に寄与する可能性があり,中には複数回にわたる播種切除でも有効な症例が存在すると考えられる.
詳細検索