演題

RS1-41-15-5

胃癌腹膜播種に対するS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用化学療法の有用性

[演者] 上之園 芳一:1
[著者] 有上 貴明:1, 大久保 啓史:1, 貴島 孝:1, 柳田 茂寛:1, 松下 大輔:1, 天辰 仁彦:1, 石神 純也:1, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学

腹膜播種は,進行胃癌において頻度が高く,患者のQOLに著しい影響を与える.Phoenix-GC試験の結果からS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用化学療法の有効性が報告され,腹腔内化学療法が期待されている.教室では2008年より腹膜播種(P1)および洗浄細胞診陽性(CY1)の進行胃癌例に対してS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用化学療法を行い,審査腹腔鏡にてP0CY0が確認されれば積極的に胃切除を行ってきた.【目的】胃癌腹膜播種に対するパクリタキセル腹腔内投与併用化学療法の効果,および奏功例に対する胃切除についてレトロスペクティブに検討し有用性を明らかにする.【対象】進行胃癌と診断され組織学的にP1またはCY1と診断された50例を対象とし,腹腔内リザーバーポートを留置し,S-1+パクリタキセル経静脈腹腔内併用化学療法を行った.腹膜播種42例,腹膜播種陰性,腹水細胞診陽性8例.腹膜播種陽性は,P1:7例,P2:10例,P3:25例で,腹腔洗浄細胞診では38例(90.5%)で陽性であった.腹腔内投与平均回数は7回,投与法はbiweekly:29例,weekly:21例であった.【結果】初回治療効果判定では,PR20例,SD26例,PD4例であり,病勢コントロール率92%,MSTは614日.Grade3以上の有害事象は好中球減少の30例 (60%)であった.P陽性例のMSTは525日で,P0CY陽性例と比較して有意に予後は不良であった(p=0.0013).P陽性例において腹腔内併用療法後にP0CY0により胃切除術を施行が16例で,全例がPRもしくはSDと評価されていた.切除例のMSTは1192日で,非切除例と比較して予後良好であった(p<0.0001).初回治療でパクリタキセルの腹腔内投与を行った31例はMSTが506日,2nd line以降の治療でパクリタキセルの腹腔内投与を行った18例でMSTは594日で有意差は無かった.【結語】S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法は,腹膜播種症例に対して予後の延長が期待され,切除を可能とする治療法の一つであり,腹腔内投与の介入時期や投与レジメンに関わらず有用な治療法であると考えられる.
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