演題

RS1-41-15-2

胃癌切除後に腹腔内より検出された癌細胞の臨床的意義

[演者] 竹林 克士:1
[著者] 村田 聡:1, 山口 剛:1, 貝田 佐知子:1, 児玉 泰一:1, 園田 寛道:1, 飯田 洋也:1, 三宅 亨:1, 清水 智治:1, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

【目的】胃癌は治癒切除がなされても術後再発をきたすことが多く,術中の腹腔内への癌細胞散布もその一因と推察できる.今回,我々は胃癌治癒切除後に細胞培養により検出された腹腔内遊離癌細胞の臨床的意義を検証した.【方法】平成21年12月から平成27年7月に胃癌治癒切除を施行した症例で,開腹時の腹腔内洗浄液の細胞診および細胞培養がともに陰性であった154例(早期癌:55例,進行癌99例)を対象とした.胃癌切除後の腹腔内洗浄液中の癌細胞検出と,臨床病理学的因子との関連および予後との相関を調べた.【結果】平均年齢:67.5歳(35-93),男性110例,女性44例.分化型88例,未分化型66例であった.リンパ節転移(pN+)は76例であった.胃癌切除後腹腔内洗浄液中の細胞診は全例陰性だったが,細胞培養では66例(42.9%)に細胞の増殖が確認され,Papanicolau染色とKi67染色陽性であった.胃癌切除後腹腔内洗浄液中の癌細胞培養陽性は,早期癌で13例(23.6%),進行癌で53例(53.5%)に認め,pN0症例では26例(33.3%),pN+症例では40例(52.6%)に認め,進行癌またはpN+症例に腹腔内癌細胞検出が有意に多かった(p<0.001).胃癌切除後腹腔内洗浄液中の癌細胞培養陽性例は5年全生存率が50.3%であり,陰性例の87%に対して,有意に予後不良であった(p<0.001).進行癌症例とpN+症例での検討では,胃癌切除後腹腔内洗浄液中の癌細胞培養陽性例は5年全生存率が進行癌で44.4%,pN+症例で38.8%であり,培養陰性例の86.4%,82.6%に対してそれぞれ有意に予後不良であった(p<0.001, p<0.001).【結語】胃癌切除後腹腔内洗浄液の細胞培養により癌細胞が検 出された症例は予後不良であった.癌細胞培養結果のバイオマーカーとしての詳細な評価と,術中あるいは術後追加治療の必要性の検証が今後求められる.
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