演題

RS2-62-7-6

大腸癌手術における一時的人工肛門の検討

[演者] 前田 文:1
[著者] 井上 雄志:1, 大木 岳志:1, 小川 真平:1, 板橋 道朗:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

【はじめに】大腸癌術後縫合不全予防として一時的人工肛門が有用とされている.当科では下部直腸癌,術前CRT症例,減圧不良症例,糖尿病など合併症を有する症例に対し,初回手術時に一時的人工肛門を造設し3ヵ月以降に閉鎖する方針としている.【対象】2013年1月1日から2016年3月31日の間に当科で大腸癌手術を行った症例455例のうち,一時的人工肛門を造設した症例44例を対象とし成績を検討した.【結果】男性33例,女性11例,平均年齢63.4歳だった.占居部位はS状結腸2例,RS6例,Ra15例,Rb20例,TとSの合併1例だった.pStageは0:2例,Ⅰ:12例,Ⅱ:15例,Ⅲa:11例,Ⅲb:1例,Ⅳ:3例(重複あり)だった.術前CRT症例は15例だった.初回手術は全例腹腔鏡下手術であり,術式は横行結腸切除+S状結腸切除1例,S状結腸切除術1例,高位前方切除術4例,低位前方切除術29例,括約筋間直腸切除術9例だった.人工肛門造設部位は横行結腸2例,回腸42例だった.横行結腸症例は高齢の括約筋間直腸切除症例で永久人工肛門の可能性も考慮しColostomyとした.人工肛門造設の理由は吻合部が低位であることが大半を占めたが,術前CRT症例が15例,術前腸閉塞3例(経肛門イレウス管:2例,大腸ステント:1例)だった.術後合併症は18例で認め,縫合不全3例(保存的治療),尿管損傷1例,排尿障害2例,吻合部狭窄4例,腸閉塞7例だった.腸閉塞のうち4例はOut put obstructionと考え人工肛門より減圧を行ったが,1例は改善せず入院中に人工肛門を閉鎖した.回腸瘻排液による脱水・腎機能障害2例だった.ストマ周囲の皮膚びらんを認めた1例は管理に難渋し入院中に人工肛門閉鎖した.術後化学療法は17例で行われていた.39例で人工肛門は閉鎖され造設から平均148.4日後だった.5例で閉鎖前に吻合部狭窄が指摘され,内視鏡的に拡張後人工肛門閉鎖を行った.外来で拡張を継続し大半の症例は改善したが,1例は狭窄・瘻孔形成が改善せず再度横行結腸人工肛門を造設した.【結語】一時的人工肛門として回腸瘻を造設した症例では縫合不全による再手術はなく致死的な合併症は認めなかった.しかしOut put obstructionなど人工肛門に関連する合併症の改善や閉鎖時期の検討などが必要と考えられた.
詳細検索