演題

RS2-62-7-5

ストーマ関連合併症の危険因子の検討

[演者] 福岡 達成:1
[著者] 前田 清:1, 渋谷 雅常:1, 永原 央:1, 豊川 貴弘:1, 天野 良亮:1, 田中 浩明:1, 六車 一哉:1, 平川 弘聖:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

ストーマ造設術は消化器外科手術において比較的難易度の低い手術手技である.しかしながら,造設される患者の背景は炎症性腸疾患や担癌患者も多く,また緊急手術の頻度も高いため,ストーマ関連の合併症の発生頻度も比較的高くなりやすい.合併症がひとたび発生すると,患者のQOLの低下,入院期間の延長につながり,また抗癌剤治療導入の遅延を招くことも考えられる.またストーマ関連合併症と患者背景との関連性についての検討は現在まであまり報告されていない.今回我々はストーマ関連合併症の発生を低減するため,当院におけるストーマ関連合併症の危険因子について比較検討を行った.対象は2014年1月から12月までに当院でストーマ造設術を施行した症例 76例を対象とし,ストーマ関連合併症の発生頻度や患者背景との関連性について検討を行った.結果は男性45例,女性31例で,年齢は平均53歳(18-92歳)であった.疾患は直腸癌が29例,結腸癌が6例,炎症性腸疾患が20例,消化管穿孔例が10例,その他14例であった.緊急手術症例は27例で,待機手術症例は49例であり,ストーマ造設部位は小腸ストーマが37例,結腸ストーマが39例であった.ストーマ関連合併症は,ストーマ周囲感染が3例,ストーマの陥凹・陥没が3例,ストーマ脱出が2例,ストーマ壊死が2例,粘膜皮膚離開が6例,傍ストーマヘルニアが1例であり,合併症発症率は16例,21%であった.術後早期合併症は12例で,術後平均6.4日で発症した.術後1日目のストーマの高さが1.2㎝以下の症例は有意にストーマ合併症が発生しやすく(p=0.02),緊急手術症例では有意に粘膜皮膚離開症例が多く認めた(p<0.01).ストーマの合併症頻度は21%と比較的高値であったが,再手術を要した症例は1例のみであった.ストーマの種類や部位により多少差はあるものの,合併症を減らすためにはストーマの高さを十分に保ち,緊急手術例に関しては創部の汚染に十分に注意を要すると考えられた.
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