演題

RS2-62-7-1

術後合併症からみたstoma造設の諸問題について

[演者] 吉松 和彦:1,2
[著者] 佐野 恵美:1,2, 伊藤 嘉智:1, 浅香 晋一:1,2, 佐竹 昌也:1,2, 今泉 理枝:1, 上原 咲恵子:1, 小池 太郎:1, 成高 義彦:2
1:済生会栗橋病院 外科, 2:東京女子医科大学東医療センター 外科

【はじめに】大腸癌に対する肛門温存手術の進歩により永久stomaとなる症例は減少しているが,それに伴うdiverting stoma造設症例は増加,切除不能症例や縫合不全,大腸穿孔や悪性の腸閉塞症例などstoma造設例は一定症例経験する.Stoma造設はSSI危険因子であり,その発症によりstoma管理困難となればQOLは低下する.また,術後の腸閉塞発症も後続治療スタートの遅延に繋がる.そこで今回,stoma造設症例におけるこれら合併症について検討した.
【対象・方法】対象は2012年7月から2016年11月までに当院で施行したstoma造設を伴う手術症例の88例である.合併症として切開創SSI,stoma造設後の腸閉塞について関連因子につき検討した.
【結果】年齢は70歳(32-93),男性61例,女性27例で,stoma造設理由は穿孔・壊死などが36例,腸閉塞16例,ハルトマン手術13例,直腸切断例15例,diversion 8例,原疾患は悪性59例,良性29例であった.切開創SSIは26例(29.5%)認め,創分類やASA分類,原疾患(悪性か良性)で切開創SSIの発生に差はなかったが,単孔式(p=0.0074),S状結腸stoma(p=0.0732)で切開創SSIの発生を多く認めた.創閉鎖のベストプラクティスとして行った真皮縫合,皮下ドレーン,皮膚接着剤使用により,有意に切開創SSIは減少した(25例中3例:11.5%,p=0.0231)が,汚染創症例ではその効果は認められなかった(13例中3例:23.1%,対照群24例中8例:33.3%p=0.5147).術後腸閉塞は13例,14.8%に認めた.術後腸閉塞の危険因子は,双孔式(p=0.0245),diversion(p=0.0032),腹腔鏡(p<0.0001)であり,低位前方切除術における双孔式diverting stoma造設時には高率に腸閉塞が発症していた(4例,50%).
【結語】当院におけるstoma造設手術時の切開創SSIは29.5%,術後腸閉塞は14.8%であった.切開創SSIの予防には真皮縫合,皮下ドレーン,皮膚接着剤使用が有用と考えられるが,汚染創にはさらなる工夫が必要である.また,diverting stoma造設時には腸閉塞予防の工夫も考慮する必要がある.
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