演題

RS2-61-7-4

食道癌術後栄養管理目的の栄養チューブ挿入法~空腸瘻から胃管瘻・十二指腸瘻へ~

[演者] 安留 龍太郎:1
[著者] 佐々木 健:1, 内門 泰斗:1, 尾本 至:1, 浦田 正和:1, 上之園 芳一:1, 奥村 浩:2, 大脇 哲洋:3, 前村 公成:1, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学, 2:JA鹿児島厚生連病院 外科, 3:鹿児島大学大学院 離島へき地医療人育成センター

【背景】食道癌切除再建術後の栄養管理には,経腸栄養が重要である.我々は,投与経路に空腸瘻を選択してきたが,空腸瘻関連の合併症を経験し,また,早期・晩期の合併症が報告されており,空腸瘻の腹壁への固定法・固定位置等など工夫してきた.現在は,経胃管的あるいは経十二指腸的栄養チューブ挿入法を導入している.今回,その治療成績について報告する.
【対象と方法】対象は,胃管瘻・十二指腸瘻を導入した2013 年11 月から2016 年11 月の期間に食道癌に対し食道切除再建術を施行し,術中に栄養チューブを留置した108例である.胸壁前経路再建では胸壁前皮膚を直接刺通する胃管瘻・結腸瘻を,後縦隔あるいは胸骨後経路再建では肝円索を肝門側で離断しチューブを肝円索内腔に通し肝円索肝門側を十二指腸前壁に肝円索尾側を腹壁に固定する十二指腸瘻を,胃管瘻・十二指腸瘻造設のいずれも困難な場合には空腸瘻造設を行った.経路の異なる栄養チューブ挿入法の治療成績について検討した.
【結果】術前化学放射線療法例は胸壁前経路を,術前化学療法例は胸骨後経路を,術前未治療例は後縦隔経路による再建を選択した.胃管瘻を56例,十二指腸瘻を33例,空腸瘻を18例,結腸瘻を1例にそれぞれ造設した.栄養チューブ関連の合併症は造設時のみで,胃管瘻に胃管後壁損傷1例,十二指腸瘻にチューブ先端屈曲を1例に認めた.全例ともに術後に栄養チューブ関連の合併症は認めていない.胃管瘻・十二指腸瘻・結腸瘻は空腸瘻と比較して固定時間を短縮できた.
【結語】術後経腸栄養を必要とする食道癌術後症例においては,術後合併症が致命的となるため,より安全・確実な栄養チューブ挿入法が求められる.本検討では胃管瘻・十二指腸瘻・空腸瘻いずれにおいても術後栄養チューブ関連の合併症は認められなかった.胃管瘻・十二指腸瘻は固定時間を短縮でき,手術時間の短縮にも貢献するものと考えられた.
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