演題

RS2-61-7-2

人工肛門閉鎖術における皮膚環状縫合法の有用性について

[演者] 柴田 耕治:1
[著者] 待木 雄一:1, 広松 孝:1, 高良 大介:1, 出津 明仁:1, 原 圭吾:1, 中橋 剛一:1, 大原 規彰:1
1:桐生厚生総合病院 外科

【背景・目的】
人工肛門閉鎖術においては術後の創感染がしばしば問題となる.近年,人工肛門閉鎖術において皮膚の環状縫合法が普及し始めており,良好な成績が報告されている.当院では2015年より人工肛門閉鎖時に皮膚の環状縫合法を採用しており,今回はその有用性を検証する目的で従来行われてきた皮膚の単純縫合法と比較検討を行った.
【対象・方法】
2010年1月から2016年10月までに当院で行われた人工肛門閉鎖術を対象とした.人工肛門閉鎖以外の手術が同時に行われた場合,人工肛門部以外に皮膚切開を要した場合は対象から除外した.それらを単純皮膚縫合法群(S群)と環状皮膚縫合法群(P群)の2群に分け,両群間における患者背景,手術内容,術後合併症,術後在院期間について比較検討を行った.
【結果】
S群47例,P群12例が対象となった.両群間で年齢,性別,基礎疾患,人工肛門造設の契機となった原疾患,人工肛門造設から閉鎖までの期間に有意差は認めなかった.両群とも回腸双孔式人工肛門に対する閉鎖術が最多であり,S群で34例(72.3%),P群で9例(75%)であった.吻合法については両群とも手縫いが多く,S群で33例(70.2%),P群で10例(83.3%)であった.術後創感染は,S群で6例(12.8%),P群で0例(0%)とP群で少ない傾向は見られたが有意差を示されなかった.創感染を除いた術後合併症は,S群で3例(6.4%,いずれも麻痺性イレウス),P群で3例(25%,麻痺性イレウス2例,クロストリジウム腸炎1例)とP群で多い傾向であったが,両群間で有意差は認めなかった.縫合不全は両群とも1例も認めなかった.術後在院日数の中央値は,S群で11(5-51)日,P群で10(7-55)日であり,有意差は認めなかった.
【結語】
人工肛門閉鎖術における皮膚の環状縫合法は,従来行われてきた単純縫合法と比較して術後創感染の発症率に有意差は認めなかったものの少ない傾向は示された.閉鎖手技は簡便であり,かつ整容性に優れている点からも,皮膚の環状縫合法は人工肛門閉鎖時の標準手術手技になりうるものであると考える.
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