演題

RS2-60-7-6

人工肛門造設患者の術後在院日数短縮に向けた取り組み

[演者] 長尾 宗紀:1
[著者] 渡辺 和宏:1, 阿部 友哉:1, 井本 博文:1, 唐澤 秀明:1, 大沼 忍:1, 武者 宏昭:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【背景】近年では,潰瘍性大腸炎における分割手術や直腸癌の超低位前方切除・括約筋間切除術等の普及に伴い,一時的なものを含め以前よりも人工肛門(ストーマ)を造設する患者が増加してきている.ストーマを造設するにあたっては,術前の十分な説明の上での患者の受容と,術後も可能な限り患者本人がストーマケアに習熟することが重要である.しかし,術前の外来においては医師からの説明は疾患や術式・予後等についての説明が主とならざるを得ず,ストーマ造設後の具体的なケアや生活についての十分な説明をする時間をとるのが困難な場合も多い.また,術後合併症なく経過し退院が可能となった状況でも,ストーマケアの自立が不十分なために在院日数が延長してしまう場合も多いが,ストーマ造設術後の在院日数について検討された報告は少ない.上記のような周術期におけるストーマ造設に関連した諸問題を解決するため,当院WOC(wound, ostomy, continence care)センターではストーマ造設予定の患者に対し「術前ストーマ外来」を構築し運用を開始しているが,その後に術後在院日数に影響を与えた要因について検討した.
【方法】当院WOCセンターでの術前ストーマ外来開始(2015年4月)後に当科にてストーマ造設を行った手術症例60例のうち,術後在院日数に影響したと思われるClavien-Dindo分類grade 2以上の合併症を発症した例を除外した44例について,カルテを用いて後方視的に検討した.
【結果】44例のうち,男性27例,女性17例.年齢は60(21-81)歳.原疾患は潰瘍性大腸炎16例,直腸癌13例,クローン病8例,その他7例.造設されたストーマは小腸ストーマ28例,大腸ストーマ16例.術前ストーマ外来受診ありが25例,なしが19例.術後在院日数の比較では,小腸ストーマ造設例が21(12-47)日,大腸ストーマ造設例が17(10-23)と,小腸ストーマ造設例で有意に長かった.術前ストーマ外来受診の有無,70歳以上と70歳未満の比較では術後在院日数に差は認めなかった.
【結語】小腸ストーマ造設例で術後在院日数が長くなっていた点をふまえ,特に小腸ストーマ造設例に対しては術前・術後を通じてのより積極的な介入が必要であると考えられた.
詳細検索