演題

RS2-60-7-4

回腸人工肛門造設を伴う直腸癌術後早期に腸閉塞を来した症例についての検討

[演者] 根岸 宏行:1
[著者] 牧角 良二:1, 井田 圭亮:1, 丹波 和也:1, 福岡 麻子:1, 朝野 隆之:1, 月川 賢:1, 國場 幸均:2, 宮島 伸宜:3, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科, 2:聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・一般外科, 3:聖マリアンナ医科大学東横病院 消化器病センター消化器外科部門

【はじめに】腸閉塞は腹部手術後に起こりうる主な合併症のひとつである.中でも回腸人工肛門造設後の腸閉塞の発症頻度は8%前後との報告例がある.当院において回腸人工肛門造設術を伴う直腸癌手術を施行し,早期に術後腸閉塞を来した症例について検討した.【対象】2011年1月から2015年12月までに直腸癌で回腸人工肛門造設を伴う手術を施行した48例について,術後同一入院中に腸閉塞を来した7例(腸閉塞群)について検討した.腸閉塞を来さなかった41例を対照群(非腸閉塞群)とした.【結果】腸閉塞群において平均年齢は66歳,男女比は6:1であった.術前プレアルブミンは22.0 mg/dl,小野寺PNIは47.4であった.手術時間432分,出血量468mlであった.イレウス管挿入を要した症例が1例,経鼻胃管を要した症例が2例,ストマ狭窄が原因でストマからのネラトンカテーテル挿入を要した症例が3例,チューブによる加療を要さなかった症例が3例であった(重複あり).非腸閉塞群では平均年齢は67歳,男女比は33:8であった.術前プレアルブミンは24.0mg/dl,小野寺PNIは49.1であった.手術時間438分,出血量312mlであった.平均年齢,男女比,術前プレアルブミン,手術時間,出血量に有意差を認めなかった.術前小野寺PNIは腸閉塞群で有意に低かった(p=0.04).【まとめ】今回の検討では腸閉塞群で小野寺PNIが有意に低値であり,術前の栄養状態が術後早期の腸閉塞のリスク因子となる可能性が示唆された.回腸人工肛門造設を伴う直腸癌手術における術後早期での腸閉塞のリスク因子について,若干の文献的考察を含めて報告する.
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