演題

RS2-59-7-5

直腸癌に対する腹会陰式直腸切断術後の傍ストーマヘルニアの危険因子の検討

[演者] 中村 隆俊:1
[著者] 佐藤 武郎:1, 小嶌 慶太:1, 内藤 正規:1, 山梨 高広:1, 三浦 啓寿:1, 筒井 敦子:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

直腸癌手術において腹会陰式直腸切断術後の傍ストーマヘルニアは,ストーマ脚と筋膜の間隙から主に小腸や大網などが脱出することによって発生した一種の腹壁瘢痕ヘルニアであり人工肛門造設後に発生する晩期合併症である.また,狭窄や脱出に次いで多く,その発生率は結腸ストーマで5~30%と比較的高い.造設法別のストーマヘルニアの発生率は,腹直筋を貫かない場合は21. 6%で,貫いた場合は2.8%に比して高率であり,腹直筋を貫くことが重要である.目的)直腸癌に対する腹会陰式直腸切断術後の傍ストーマヘルニア発生の危険因子を明らかにする.対象と方法)1990年~2014年までに当科で腹会陰式直腸切断術を施行した158例を対象とした.男性99例(63%),女性59例(37%).平均年齢は62(30-90)歳であった.傍ストーマヘルニアの危険因子として,性別,年齢,手術法(開腹,腹腔鏡),BMI,ASAスコア,輸血の有無,pStage,手術時間,出血量,ストーマ造設経路(直接,腹膜外)の11項目とした.傍ストーマヘルニアの有無の診断は,外来診察,CTおよびスキンケア外来所見で行った.結果)傍ストーマヘルニアは27例(17%)に認めた.観察期間の中央値は61.5(5-224)ヶ月であった.ストーマ造設法では,直接経路で19例(18%),腹膜外経路8例(15%)に傍ストーマヘルニアを認めた.時代的な背景より腹膜外経路と直接経路では観察期間は有意に腹膜外経路が長期間であった.単変量解析では,BMI25以上(p=0.0178)のみが抽出された.多変量解析では,BMI25以上とASAスコア(p=0.0763)を加えた2項目で行った
ところBMI25以上(Odds 2.9698,p=0.0155)が独立した危険因子であった.考察)傍ストーマヘルニアの独立した危険因子はBMI25以上であった.ストーマ造設経路は危
険因子とはならなかった.今後は,BMI25以上の症例に対しては患者因子として術前
・後の体重コントロール,腹圧がかかりにくい生活指導(呼吸器・心臓疾患の治療)を
行い,手術手技因子は,ストーマ固定法や人工物による固定などの工夫を行う必要が
あると考えられた.
詳細検索