演題

RS2-59-7-1

二次開口人工肛門作成法を用いた腹腔鏡下直腸切除術後双孔式臍部回腸人工肛門の安全性の検討

[演者] 石黒 成治:1
[著者] 小松 俊一郎:1, 駒屋 憲一:1, 斉藤 卓也:1, 有川 卓:1, 金子 健一朗:1, 宮地 正彦:1, 佐野 力:1
1:愛知医科大学病院 消化器外科

【緒言】待機的手術において形成する人工肛門は粘膜と皮膚を縫合する一次開口ストーマとすることが一般的である.腸管を切開するのみで粘膜と皮膚を縫合しない二次開口ストーマでは,必発の漿膜炎のためにストーマの陥没,狭窄,脱落の危険があり,また自然成熟までの期間に狭窄予防のために指による拡張が必要となる.近年腹腔鏡下直腸切除後の双孔式一時的回腸人工肛門を臍部に造設する報告が行われているが,その際には臍部の皮膚を輪状に切開し一次開口ストーマを造設する報告が多い.しかし臍部の皮膚を切除すると閉鎖後の臍の形成が困難となる.当科では臍部の双孔式一時的回腸人工肛門を導入した際には臍部の皮膚を切除せず,反転挙上し開口した回腸と粘膜皮膚縫合を行っていたが,回腸人工肛門の高さ不十分になることが懸念されていた.そのため十分に挙上した回腸側壁に反転挙上した臍部皮膚を縫着し,回腸を縦に大きく切開するのみで粘膜皮膚縫合を施行しない二次開口双孔式臍部人工肛門作成法を考案した.
【対象】腹腔鏡下直腸切除術後に双孔式の二次開口臍部回腸人工肛門を造設した7例について安全性の検討を行った.【結果】BMI中央値は30.7 kg/m2(19.2-32.6) ,全例臍部に2cm以上の突出型のストーマを形成できた.挙上した臍部の皮膚炎は全例に認められた.Outlet 症候群を1例に認めたがネラトンカテーテルの挿入により速やかに軽快した.ストーマ維持期間中央値は85日(50-262)で,用指拡張を要するような狭窄などストーマ維持が困難となる重篤なストーマ合併症は1例も認めなかった.難治性の縫合不全となった1例を除き,6例は人工肛門を安全に閉鎖し温存した臍部皮膚を用いて臍形成を施行できた.【結語】二次開口双孔式臍部回腸人工肛門作成法は簡便に突出型ストーマを形成できる方法であり,ストーマ関連合併症の頻度も少ない.肥満患者に対しても同様に突出型ストーマを作成可能である.閉鎖の際には温存した臍部皮膚を再建に利用できるため整容的にも優れた方法である.
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