演題

RS3-135-11-6

ステント留置による減圧後に待機的手術を施行した閉塞性大腸癌症例の検討

[演者] 伊藤 忠雄:1
[著者] 出口 勝也:1, 吉井 一博:1
1:丸太町病院 外科

【はじめに】当科では閉塞性大腸癌に対してはbridge to surgery(BTS)としてself-expandable metallic stent (SEMS)を留置し減圧後に待機的手術を施行する方針としている.2013年6月から2016年11月の間にBTSとしてSEMSを留置した20症例を検討し,その短期成績を報告する.【結果】男性12例,女性8例.年齢中央値は73.5歳(37~88歳)で80歳以上の高齢者が7名であった.SEMS施行前にCTで口側腸管拡張を認めイレウスと診断された症例は13例(65%)であり,残り7例は透視により狭窄高度のため早期にイレウスを来す危険性が高いと判断されたためSEMSを留置した.SEMS留置前の全症例のWBC / CRP中央値は7000 / 1.02と炎症反応陰性か軽度上昇のみの症例が多かったが,留置後はイレウス群(13例)ではWBC高値(≧9000)8例(61%),CRP高値(≧1.0)13例(100%)と強い炎症反応が惹起されていた.しかし,経時的に経過を追跡できた8例では比較的速やかにWBCは正常化していた(留置後正常化までの日数中央値:2日).SEMSを留置した腫瘍の占拠部位はA / T / D / S : 2 / 4 / 1 / 13であり左側結腸に多かった.全例でステント留置に成功し減圧も良好であったが,1例でステント口側の憩室穿孔により留置4日後に緊急手術となった(腹腔内汚染軽度であったため開腹で右半結腸切除を施行した).緊急手術1例を除く19症例におけるステント留置から手術までの待機期間中央値は15日であり,17症例(89%)で腹腔鏡下手術を施行し人工肛門造設や開腹移行を要した症例はなかった.術後合併症はSSIを2例に認めたが縫合不全は認めず,術後在院日数中央値は8日であった.【考察】閉塞性大腸癌であってもSEMS留置により安全に待機的腹腔鏡下手術施行が可能であった.SEMS留置後約2週間の待機期間での切除でも摘出標本で口側に明らかな閉塞性大腸炎は認められず,縫合不全リスクを上昇させることは少ないと思われた.
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