演題

RS3-135-11-5

左側結腸癌による高度狭窄に対して大腸ステント留置を行った30例の検討

[演者] 外舘 幸敏:1
[著者] 阿左見 亜矢佳:1, 多田 武志:1, 藁谷 暢:1, 本多 通孝:1, 鈴木 伸康:1, 佐藤 直:1, 高野 祥直:1, 阿部 幹:1, 寺西 寧:1
1:脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科

【背景】閉塞性大腸癌に対する手術は,大腸炎,精査不十分,緊急手術などの理由で通常の手術よりも術後合併症のリスクが高い.最近,大腸癌に対する自己拡張型のステント留置が保険承認され,緊急手術を回避し安全に手術を実施するための手段として期待されている.【対象】2013年4月から2016年11月までに当院で左側閉塞性大腸癌に対して大腸ステント留置を行った30例のうち,緩和目的の留置を除く25例について,患者背景,腫瘍因子,術後合併症について検討した.【結果】年齢中央値69歳(23-92),性別は男:女=24:6,占拠部位は,横行結腸:下行結腸:S状結腸:直腸=2:7:11,臨床病期はStage II, III, IVがそれぞれ8, 6, 11例,術前化学療法を2例に施行していた.ステント留置に伴う合併症は2例(8%)あり,1例はステントが腸間膜に貫通し,腸閉塞状態のまま手術を施行した.1例はステント留置後も大腸炎および腸閉側状態が改善せず緊急手術を行った.23例(92%)は腸管の減圧が得られ経口摂取が可能となり,全身検索を行った後に待機的手術(腹腔鏡下:開腹=17:8)を施行した.ステント留置から手術までの期間は平均20.2日(4-55)であった.術後合併症は腸炎2例,縫合不全1例,吻合部出血1例,腸閉塞1例であった.術後平均在院日数は20.5日(8- 68).
【結論】左側閉塞性大腸癌に対する術前のステント留置は,多くの症例で腸管閉塞を解除し,栄養状態改善,全身検索,耐術能の評価などを行うことが可能であった.また術後合併症は通常の手術と比較して許容範囲であり,一定の効果を有するものと考えられた.ただし,安易な大腸ステント留置は遠隔転移や播種のリスクとなり得るとの報告もあり,今後長期成績に関する評価も行っていく.
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