演題

RS3-135-11-3

大腸癌イレウスへの術前ステント留置症例の検討

[演者] 南 宏典:1
[著者] 藤本 佳也:1, 長嵜 寿矢:1, 秋吉 高志:1, 小西 毅:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景・目的】大腸癌イレウスに対する緊急手術は周術期合併症のリスクが高まるとされている.近年,大腸癌イレウスに対してBridge to surgery(BTS)としてステントを留置することで腸管減圧が図れ,術前の経口摂取や下剤処置が可能となり,待機手術ができるようになってきている.当院では2012年よりBTSとしてのステント留置を行い,減圧可能となれば,待機的に腹腔鏡手術を行っている.今回,ステント留置後の腹腔鏡手術を症例と,以前からの行われている減圧方法としての一時的人工肛門造設後の待機手術をした症例との比較検討を行った.【対象】2012年から2016年に大腸癌イレウスに対してステントを留置された後に手術を施行した21例と,比較対象として一時的人工肛門造設12例とを検討した.【結果】年齢(以下中央値)は人工肛門造設群/ステント留置群でそれぞれ61(30-78)歳,66(37-84)歳であった.人工肛門造設/ステント留置ではいずれも減圧に成功し,人工肛門造設・ステント挿入に伴う合併症は認められなかった.原発切除までの期間は人工肛門造設群/ステント留置群でそれぞれ17(7-43)日,21(8-203)日であった.人工肛門造設群では原発切除手術においてHartmann手術を施行した1例を除き,一時的人工肛門造設を閉鎖し永久人工肛門を回避できた.(ハルトマンの理由は書けたら書く)ステント留置群ではHartmann手術施行した1例を除き一時的人工肛門造設は1例で施行された.ステント留置後の手術は周囲に炎症の波及することがあり,上部直腸にステント留置した症例のみ一時的人工肛門を造設した.人工肛門造設群/ステント留置群で手術時間は259.5(122-397)分/250(163-462)分,出血量は245.5(100-1250)ml/10(0-110)mlであった.全例R0切除が可能であった.原発切除後の周術期合併症は人工肛門造設群で6例(創感染2例,腸炎1例,遺残膿瘍1例,腹腔内出血1例,肺水腫1例)で腹腔内出血の1例で再手術を施行した.ステント留置群では1例(吻合部狭窄)認め,保存的加療により改善した.術後,食事開始までの期間及び術後在院日数は人工肛門造設群/ステント留置群でそれぞれ5(5-7)日/4(2-8)日,17(7-43)日/12(8-48)日であった.【結語】大腸癌イレウスに対するBTSとしてのステント留置後の手術は,症例を選択すれば,一期的な再建が可能で一時的人工肛門を回避できることが多く,術後の合併症は少なく,安全かつ有用であると考えられた.
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