演題

RS3-135-11-2

大腸癌イレウスにおける治療成績の検討

[演者] 牧角 良二:1
[著者] 根岸 宏行:1, 丹波 和也:1, 福岡 麻子:1, 朝野 隆之:1, 四万村 司:2, 月川 賢:1, 國場 幸均:3, 宮島 伸宜:4, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科, 2:川崎市立多摩病院 外科, 3:聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器・一般外科, 4:聖マリアンナ医科大学東横病院 消化器病センター消化器外科部門

現在多くの施設で大腸癌イレウスに対して腸管減圧を行った後に待機的手術が行われてきている.2012年より金属ステント(self-expandable metallic stent:以下,SEMS)が保険適応となり,当院でも積極的に大腸ステントを導入している.今回我々は当院にて手術を施行した大腸癌イレウス症例の治療成績について検討したので報告する.【対象】2012年4月から2016年11月までに当院にて手術を施行した大腸癌イレウス症例28例,年令:37~86歳(中央値71.5歳)性別:男性20例,女性8例.病変部位:上部直腸1例,直腸S状部 6例,S状結腸11例,下行結腸7例,横行結腸3例.【結果】ステント挿入に伴う合併症:なし,手技的成功率(ステント挿入率)96.4%(28例中27例),臨床的成功率:96.3%(27例中26例),ステントに関する偶発症:ステント逸脱1例,ステント閉塞1例(洗浄後再開通)ステント開存不良1例.ステント挿入後,全例で経口摂取可能であった.ステント留置から手術までの所要日数21日(10-79).術式:全例腹腔鏡下手術で開始したが2例のみ開腹移行となった(腹膜播種1例,胆摘時の胆道損傷1例).手術時間:302.5min (138-645), 術中出血量:116.5ml (5-637),術後合併症:縫合不全3例(10.7%),創感染1例(3.5%),術後在院日数10日(8-110),腫瘍径:60mm(45-105),ステント留置部の粘膜損傷の有無:44.4%(27例中12例),最終病期stageⅡ/Ⅲa/Ⅲb/Ⅳ: 9/6/3/10【まとめ】大腸癌イレウスに対してSEMSを挿入留置することで速やかな腸管減圧が得られた.その後食事摂取も可能となる為,術前検査終了後に一時退院が可能であった.ほとんどの症例で腹腔鏡手術が可能であった.ステント逸脱などの偶発症もみられており,留置の際には適切な長さのステントの選択やその留置部位に注意して行うべきであると考えられた.また穿孔など重篤な合併症は認めていないがステント留置に伴う腸管粘膜の損傷も高率にみられており,待機手術までの期間は腹部所見等に十分に注意する必要があると思われた.
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