演題

RS3-135-11-1

原発巣切除不能大腸閉塞に対する大腸ステントの有用性についての検討

[演者] 上田 正射:1
[著者] 池永 雅一:1, 太田 勝也:1, 小西 健:2, 津田 雄二郎:1, 中島 慎介:1, 足立 真一:1, 遠藤 俊治:1, 山田 晃正:1
1:市立東大阪医療センター 消化器外科, 2:兵庫県立西宮病院 外科

【はじめに】当科では2012年より閉塞大腸癌に対して大腸ステントを留置してきた.大腸ステントの適応は,閉塞性大腸癌に対する手術を前提とした前治療としての閉塞解除(Bridge to Surgery)および原発巣切除不能症例に対する姑息的閉塞解除に分けられる.悪性腫瘍に起因する大腸閉塞において,外科的切除が不可能な症例に対しては大腸ステントにより患者の全身状態およびQOLの改善が見込まれる.今回,我々は原発巣切除不能大腸閉塞症例を対象として,姑息的に大腸ステントを留置し,閉塞解除を行った22症例について検討を行った.【対象と方法】2012年1月から2016年12月までで,原発巣切除不能である大腸閉塞に対して,姑息的に大腸ステント留置を行った症例を対象とし,患者背景,臨床症状の改善,生存予後について後方視的に検討を行った.【結果】性別は男性12例,女性10例であり,平均年齢は71.9(44-90)歳であった.原疾患は,大腸癌13例,胃癌6例,乳癌1例,胆管癌1例,十二指腸乳頭部癌1例であった.大腸閉塞の原因については,大腸癌原発巣が11例,腹膜播種10例,後腹膜転移1例であった.狭窄部位は,横行結腸9例,S状結腸6例,直腸4例,上行結腸3例であった.横行結腸狭窄のうち7例が大腸癌以外の癌腫であった.CROSS(Classification of intestinal obstruction)は21例において有意な改善を認め食事摂取が可能となり,特に経鼻あるいは経肛門tubeによる減圧が必要であった4例においては,抜去が可能となった.平均生存期間は183.5(15-725)日間であり,ステント留置後に長期の生存を得た症例も散見された.4例にステント留置後に化学療法を施行されており,それらの症例は長期に亘り生存していた(206-725日間).また,いずれの症例においても大腸ステントに起因する合併症は認めなかった.【結語】大腸ステントは腸閉塞を解除し,摂食を再開することを可能とした.大腸ステント留置後に化学療法を行い,長期予後を得た症例も散見された.当科において,原発巣切除不能大腸閉塞に対して,大腸ステントは合併症なく安全に施行することが可能であった.
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