演題

RS3-134-11-4

大腸癌イレウスに対する大腸ステント留置術と経肛門的イレウス管留置術の比較検討

[演者] 林 忠毅:1
[著者] 関本 晃:1, 池田 貴裕:1, 宮﨑 真一郎:1, 大菊 正人:1, 田村 浩章:1, 平山 一久:1, 金井 俊和:1, 池松 禎人:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター

【はじめに】2012年に大腸ステントが保険収載されてから大腸癌イレウスの術前腸管減圧や緩和の目的で大腸ステントが用いられるようになった.当院では2012年6月から大腸癌イレウスに対して経肛門的イレウス管留置術に加えて大腸ステントの留置を行っている.
【目的】当院における大腸癌イレウスに対する大腸ステント留置術と経肛門的イレウス管留置術の有用性,安全性を比較し,治療方針の妥当性を検証する.
【対象と方法】2012年6月から2016年11月までの期間に当院で治療を行った大腸癌イレウスのうち大腸ステントを留置した12例と経肛門的イレウス管留置を行った11例,合わせて23例について後方視的に検討した.
【結果】全患者の平均年齢は73.5歳(55歳~90歳),大腸ステント群は平均76.7歳,経肛門的イレウス管群は平均70.1歳であった.男女比は男性14例,女性9例.狭窄部位は上行結腸1例,横行結腸1例,下行結腸6例,S状結腸9例,直腸6例であった.大腸ステント留置後に手術をされた症例は4例で,手術までの期間は平均46日(25~75日),全例に一期的に腸管吻合が行われていた.一方,経肛門的イレウス管を留置された11例は全てが手術を受けており,手術までの期間は平均10.5日(1~19日),5例では一期的な腸管吻合が行われていた.減圧に関連した合併症は大腸ステント群1例(狭窄),経肛門的イレウス管群3例(穿孔性腹膜炎2例,チューブの逸脱1例)であった.
【結語】大腸癌イレウスに対して大腸ステント留置は,周術期の合併症発生率を低下させる可能性があり治療戦略の一つとして有用であると考える.経肛門的イレウス管留置と比較して,一時退院ができることや待機的な手術の計画がしやすいなどの利点があるが,大腸ステント留置患者の長期予後は明らかでなく症例ごとに適応を検討する必要があると考える.
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