演題

RS3-134-11-3

当院における大腸癌イレウスに対する治療戦略

[演者] 桑原 博:1
[著者] 渡辺 雄一郎:1, 石井 武:1, 斎藤 稔史:1, 米倉 孝治:1, 真田 貴弘:1, 中村 典明:1, 五関 謹秀:1
1:秀和総合病院 消化器外科

【はじめに】当院では2012年以降,大腸癌イレウスの初期減圧治療は可能な限り大腸ステント(Self Expandable Metalic Stent:SEMS)を第一としているが,その方針の妥当性に関しては検証する必要がある.
【目的】当院における閉塞性大腸癌治療の各治療法を比較検討し,治療方針の妥当性を検証する.
【対象と方法】2009年1月から2016年10月において当院で治療を受けた,術前に減圧が必要であった閉塞性大腸癌40例を対象とし,初期減圧法別に患者背景・病変因子・合併症・根治術までの期間・入院期間等を比較検討した.
【結果】初期減圧法は人工肛門3,経鼻イレウスチューブ10,経肛門イレウスチューブ7,大腸ステント(SEMS) 20であり,悪性大腸狭窄に対する大腸ステント留置術が保険収載された2012年1月以降は74%(20/27)でSEMSが選択されていた.腫瘍部位に関しては,人工肛門はRbおよびチューブ留置不能であったA,Sに,経鼻チューブはA~D,経肛門チューブはT~Ra,SEMSはA~Sに適用されていた.また,減圧法選択に年齢や併存疾患による影響はなかった.減圧不成功例は経肛門チューブ群にのみ1例みられた(追加で人工肛門造設を要した).根治手術までの期間の中央値(日)は人工肛門13・経鼻9・経肛門10・SEMS 20となっており,SEMS群は全例根治術前に経口摂取再開可能・多くが一時退院可能であった.
SEMS群は留置成功率100%,減圧成功率100%,留置後合併症5%(一過性発熱),食事開始までの日数中央値2日であり,根治術前に上部内視鏡検査やCT colonographyによる口側検索が可能であった.17例(85%)にR0手術となり,5例(25%)にて腹腔鏡手術が行われていた.
【結語】SEMSを用いた閉塞性大腸癌治療戦略は,良好な減圧・容易な管理・閉塞部位の口側評価・経口摂取による術前栄養状態改善の面から有用である.特に,人工肛門を回避できるメリットは大きいと考えられる.SEMS症例の中長期予後に関しても言及する.
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