演題

RS3-133-11-5

当院における大腸癌イレウス症例の治療方針と成績

[演者] 佐藤 彰記:1
[著者] パウデル サシーム:1, 大高 和人:1, 東海林 安人:1, 長谷 龍之介:1, 市村 龍之助:1, 仙丸 直人:1
1:製鉄記念室蘭病院 外科

【目的】日常臨床において大腸癌による高度狭窄症例や大腸癌イレウス患者をしばしば経験する.高度狭窄症例は進行大腸癌であることが多く遠隔転移や周囲臓器浸潤を伴う症例も少なくない.そのため早期の治療が必要であると考えられる.当院での大腸癌による大腸癌イレウス患者の治療方針とその成績について報告する.【症例】2012年10月から2016年10月までに当科で治療を行った大腸癌症例のうち,大腸癌による高度狭窄症例を対象とした.【治療方針】高度狭窄症例のうち,イレウス症状を認めない症例は絶食管理の後手術を施行した.イレウス症状を認める症例で盲腸から横行結腸まで(右群)の狭窄症例では経口イレウス管を挿入し,下行結腸から直腸まで(左群)の狭窄症例では経肛門イレウス管または大腸ステント挿入を施行し減圧を行った.また早期の減圧が必要な症例で切除可能な症例は大腸切除術を施行し,腫瘍切除不能症例,全身状態不良症例などは早期人工肛門造設術を施行した.【結果】期間内の大腸癌症例は385例で,そのうち88例が高度狭窄症例であった.さらにイレウス症状は36例に認められた.大腸癌イレウス症例の内わけは右群が16例,左群が20例であった.男性20例,女性16例であり,年齢は中央値72(46-100)歳であった.Stage Ⅱ/Ⅲ/Ⅳはそれぞれ11/7/17例であり,1例は転移性腫瘍による閉塞だった.右群におけるイレウス症例で経口イレウス管は6例,緊急大腸切除は7例,人工肛門造設は3例に施行された.左群のイレウス症例では経肛門イレウス管は11例,大腸ステントは4例に施行され,緊急大腸切除は2例,人工肛門造設は3例であった.経肛門イレウス管症例のうち4例が減圧不良のため緊急手術を施行された.36例中14例は減圧が良好であったため腹腔鏡手術を施行した.合併症は36例中8例に認められ,右群2例,左群6例であった.左群6例のうち,4例が経肛門イレウス管を挿入された症例だった.CD分類Ⅲ以上の合併症は5例で右群1例,左群4例だった.【考察】大腸癌イレウス症例では早期減圧が必要となることが多いが,当院の結果では経肛門イレウス管を施行した11症例のうち4例が減圧不良のため緊急手術を要し,さらに他の減圧方法より術後合併症が多い傾向を認めた.【結語】経肛門イレウス管挿入例では減圧不良や合併症の可能性が高くなる可能性があり,注意を要すると考えられた.
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